*

【レビュー】EPSON EH-LS10000でリファレンスBD+αを見る

EPSON EH-LS10000を見てきた
EPSON EH-LS10000がやってきた
EPSON EH-LS10000の機能やら設定やら何やら

リファレンスBD10選・画質編


 下記の印象はVictor DLA-X30との比較を念頭に置いている。

 EH-LS10000の設定諸々についてはこの記事を参照。



『ブレードランナー』

 特別な印象なし。
 とりあえず出るべき情報はしっかり出ている。



『300』 コンプリート・エクスペリエンス

 朱に寄らない、黒々とした艶やかな赤が拝める。過去最高の赤。お見事。
 高輝度方向に伸びる、粘る。
 全体として一本調子にならず、濃厚であるべき部分を狙って濃厚になる。



『ダークシティ』(北米盤)

 X30と比べても遜色ないレベルで黒側の階調は出ている。
 その中で光が鋭く伸びる(ほんとに光ってる感がある)ため、一画面のコントラスト感が凄まじい。



『ダークナイト ライジング』

 IMAXならではの隔絶した立体感と情報量がさらに引き出されて鬼気迫る画になる。
 元が良いほど伸びしろが大きいようだ。



『オブリビオン』

 元が良いほど伸びしろが大きいその2。
 キレッキレの解像感を見せるうえにジャギーめいた不自然さもない凄まじい画になる。
 こりゃーいい。



『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』

 低輝度・低彩度方向にも高輝度・高彩度方向にも情報量豊かで階調もしっかり出る。
 描線は解像感と滑らかさを両立している。
 デジタル製作のアニメとの相性は非常によろしい。



『耳をすませば』

 パリッと解像感が際立つ一方、主に単色部分でグレインが目立つ。



『パシフィック・リム』(北米盤)

 黒の沈み込みと鋭い輝きが両立し、俄然KAIJUにもイェーガーにも立体感が出る。
 やはり高輝度・高彩度領域での色の描き分けが素晴らしい。



『眠れる森の美女』

 パリッとした解像感はもちろん、「おくりもの」のシーンにおける色の深みが印象的。



『WALL.E』

 なんかフツー。
 あらためてじっくり見返してみると、WALL.E自体リファレンスにするにはもう力不足かもしれないと思ったりもした。



 プラスアルファで三本。



『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』

 冒頭の星の数、輝きからしてまるで違う。
 画面内における光が、単に「輝度が高いエリア」というだけでなく、きちんと輝きや眩しさを伴って「発光」している感。
 IMAXシーンにおける情報量はさすがの一言。



『言の葉の庭』

 凄まじい緑の描写。滴り落ちる緑。翠。碧。
 EH-LS10000の色域の広さがこれでもかというほどストレートに出ている。
 本作のように平均輝度が高く色彩も豊富なデジタル製作のアニメとの相性は抜群のようだ。



『アナと雪の女王』

 Let It Go。
 冒頭のエルサの衣装、反射する光がしっかりと伸びているため、袖のビロード的な質感がより明確に表現される。足元の雪の微妙な凹凸も色の描き分けに優れるおかげで陰影感に富む。
 輝きが立体感を生む。



 総評。

 光源にレーザーを採用したおかげかどうなのかは知らないが、色の表現は鮮烈にして濃厚。特に赤と緑が素晴らしい。混濁せず、透明感を保ったまま壮絶に伸びる。加えて高彩度領域でも楽勝で色味を描き分ける。赤と緑に比べれば、青はDLA-X30比でぎょっとするほどでもなかった。

 全黒表示時には文字通り完全な闇となる。幸か不幸か私の目は人より高感度のようで、今まで数えきれないくらい「黒が沈む」という評価&表現に裏切られてきたのだが、コレはホントに真っ暗闇になる。レーザー様様である。
 一方で、全黒表示時以外、通常の黒の沈み込みはDLA-X30に比べるとわずかに劣るようだ。ただ、全黒のインパクトと後述する高輝度への伸びのおかげで、体感でのコントラストはEH-LS10000が大きく上回る。

 じゅうぶんに沈み込む黒と、そこに鋭い輝きが同居することで生まれる立体感こそが本懐か。
 個人的にプロジェクターの高輝度追求には懐疑的で、「んなに輝度を上げても眩しくて目が潰れるだけだからもっと黒を沈めてくれよ」と常々思っている。とはいえこの強烈な立体感を見てしまうと、それはそれで意味のあることなのだなとも思う。もっとも、深い黒が実現されていることが最低条件であることに変わりはないが。

 疑似4Kの効きはソースに大きく左右される。
 昨今の優秀画質盤のように、元から素晴らしい情報量を持っているソースであれば目覚ましい効果を発揮する一方、元がイマイチだったり、特に古くて平均輝度の低い映像の場合は解像感の上昇は限定的なものとなる。かえって粒状感ばかりが強調されてしまうこともある。
 デジタル制作のアニメでは描線の明瞭化と滑らかさが両立するため、相性はすこぶる良い。
 とにかくうまくハマった時の画は凄まじい。ある意味ではBDが実現する最大瞬間風速のようなものを味わえるが、UHD BDと4Kディスプレイの組み合わせではそれが平均風速になるのだろうか……?

 鮮烈で透明な色彩、全黒の衝撃、通常時でもじゅうぶんに沈む黒と鋭い輝きの同居が生む立体感、疑似4Kがもたらす解像感。
 さすがに高いだけのことはある。


 ただ、ゲームにはまったく使えない。
 あくまで映像を見るためのプロジェクターである。



【BDレビュー】 総まとめ

【レビュー】 視た・聴いた・使った・紹介した機器のまとめ 【インプレッション】

スポンサーリンク


関連記事

【音源管理の精髄】 Tag&Renameを使ったDSDのタグ編集 【ネットワークオーディオTips】

 本題である。  前々から言っているとおり、正直なところ私はDSD音源にあまり興味がない。

記事を読む

【BDレビュー】第273回『GODZILLA ゴジラ』 北米盤

おかえり 画質:10 音質:13☆ 映像:AVC 音声:DTS-HD M

記事を読む

DELA N1Z/N1Aの新モデル

DELA「N1Z/N1A」、ハードウェアを刷新した新モデル - 電源強化やUSB-DAC端子追加など

記事を読む

UHD BDプレーヤー Panasonic DMP-UB90を買った

UHD BDが先か、オブジェクトオーディオが先か  UHD BDが先だった。  やはり「既に

記事を読む

【音源管理の精髄】 DLNAにおけるデバイスクラスについて 【ネットワークオーディオTips】

 UPnP/DLNAとがどういうものなのかについては、前回の記事で概要を示した。  この記事で

記事を読む

【ハイレゾ音源備忘録】 Yes / Fragile

・アーティスト / アルバムタイトル Yes / Fragile ・購入元 HDtrack

記事を読む

【AV史に残るBD勝手に10選】第1位『アバター』&『プライベート・ライアン』 ― 高画質・高音質という福音

【BDレビュー】第160回『アバター』 【BDレビュー】第158回『プライベート・ライアン

記事を読む

「DACプリ」に対するささやかな希望

 「DACプリ」と一言で言っても、実際の製品はいくつかの種類に分かれるようだ。 ①アナログ

記事を読む

Nmode X-PM7 続・音質編 LモードとHモード

 HモードのX-PM7は素晴らしいスピーカー駆動力を示したが、ホワイトノイズの多さに我慢ならなくなっ

記事を読む

【BDレビュー】第260回『Frozen / アナと雪の女王』 北米盤

画質:15☆ 音質:15 映像:AVC 音声:DTS-HD Master Au

記事を読む

スポンサーリンク

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

LUMIN A1、導入3周年 終わらない進化とMQA対応

 LUMIN Appはバージョン3から相変わらず最強だし、  iPh

【UHD BDレビュー】第18回『シン・ゴジラ』

【考察】シン・ゴジラとヤマタノオロチ、そして現代のスサノオ神話

PS3の出荷(近日)完了に寄せて

PS3本体の出荷が近日終了 - GameSpark  私のP

【Roon Ready】CHORD Poly

 CHORD Mojoに接続して使う、Roon Readyの「ポータブ

【UHD BDレビュー】第17回『オペラ座の怪人』

『オペラ座の怪人』のUHD BD 画質:9 (画質は

LUMIN is NOW Roon Ready! そしてMQAとSpotifyにも対応予定

LUMIN STREAMING SERVICES  ほんとに

【レビューまとめ】fidata HFAS1-XS20 ― 専用機であるということ

外観編 音質・サーバー編 音質・ミュージックサーバー編

【レビュー】fidata HFAS1-XS20 × OPPO Sonica DAC 音質・ミュージックサーバー編

外観編 音質・サーバー編 fidataのCDトランスポート

【Roon Ready】dCSのNetwork Bridge

dCS、RoonReady対応のネットワークトランスポート「Netwo

fidataのCDトランスポート機能を使ってみた

fidata公式サイト USB接続光学ドライブにセットしたCDを

Roon 1.3 (Build 208)とTIDAL Masters

TIDAL MASTERS with MQA  RoonのB

デジファイ No.25で記事を執筆しました

DigiFi(デジファイ)No.25 3月2日(木)発売【特別付録】ハ

Raspberry Piとワンボードオーディオ・コンソーシアム

Raspberry Piで音楽再生、「ワンボードオーディオ」共通規格化

【レビュー】fidata HFAS1-XS20 音質・サーバー編

外観編 音質・ミュージックサーバー編  まずは、純粋な

【ハイレゾ音源備忘録】John Mayer / Continuum

・アーティスト / アルバムタイトル John Maye

【ハイレゾ音源備忘録】John Mayer / The Search for Everything – Wave Two

・アーティスト / アルバムタイトル John Maye

『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』がUHD BDでリリースされなかった……

スター・ウォーズ最新作『ローグ・ワン』4月28日にBD発売。プレミアム

「FAN AKITA」のプロジェクトが終了しました

クラウドファンディングサービス「FAN AKITA」でプロジェクトを実

【レビュー】fidata HFAS1-XS20 外観編

fidata HFAS1-XS20 - 言の葉の穴  もっと

【菅江真澄紀行文・本編紹介】第十章「羽後に群立つ神杉の座所」

クラウドファンディングサービス「FAN AKITA」でプロジェクトを実

→もっと見る

PAGE TOP ↑