ホームシアターのマルチチャンネル・サラウンド再生においてセンタースピーカーは極めて重要である。「台詞を再生するスピーカー」なんて捉えられがちだが決してそんなことはなく、劇伴や効果音も含めて「前から出る音」の大部分をも担っているからだ。
 と同時に、サウンドスクリーンを使うのでもない限り、センタースピーカーを理想的な位置に置くことはほとんど不可能である。また、ラックに置くとすれば上段を占拠されるうえ、ディスプレイとの兼ね合いからラックの高さも制約を受ける。「センタースピーカーさえ無ければ」と何度思ったことか

 それでも、センタースピーカー用スタンドとしての性能を真剣に考えたラックを作ったりして、最大限センタースピーカーを活かす方向でやってきたのである。
システムセンタースピーカー

 そんなある日、何気なくセンタースピーカー(Dynaudio Focus200C)を外した状態でゴジラを見てみたら、センタースピーカーがなくても遜色ない……それどころか、むしろない方が音が良いということに気が付いてしまった。
 こうなってしまったらもうどうしようもない。ありがとう、そしてさらば、Focus200C。
 なお、これは私の環境があまりにもフロントスピーカー一点豪華主義のために起こったことであり、基本的にセンタースピーカーは使うべきだ、との姿勢に変わりはない。

 こうしてセンタースピーカーはなくなり、機器の設置の自由度も上がった。シンメトリーという点からも申し分ない。
システム20150302

 ところがどっこい、今の今まで長らく縁がなかったサブウーファーをえいやっと導入した結果、今度は肝心のシンメトリーが崩れてしまった。
システム20160325

 向かって右側に以前のラックを置いたりして、申し訳程度に空間的な辻褄を合わせる努力はしているのだが、うーむ。
 サブウーファーをフロントスピーカーの外側に置くことも当然できるのだが、うーむ。
 いっそ機械類を全部部屋の後ろに持っていってサブウーファーをスピーカーの真ん中に置くというのは……いや、いくらなんでもケーブルの引き回しが……

 ……

 …

 というわけで、センタースピーカーの次はサブウーファーか! という具合に、極めて健全に不健全なオーディオ趣味を満喫している。
 真剣にやれば、過程も含めて面白い。