【4K/HDR環境の導入に伴い、2016/11/04初出の記事を更新・追記】
画質:9 (HD環境・BDと同じ土俵での暫定評価:14)
音質:14
(評価の詳細についてはこの記事を参照)
映像:HEVC 6K撮影・4Kマスター
音声:Dolby Atmos トップスピーカーの活用:大 オブジェクト効果:大
○画質
端的に言って圧倒的な高画質。最大瞬間風速どころか平均風速ですら15☆を狙えるほどの凄まじい画質である。
例によって私の視聴環境はHD/SDRなわけだが、それでも並の高画質BDが裸足で逃げ出すほどの異様な解像感が全編にみなぎっており、下手をすれば「コレもう4Kディスプレイなんて要らんかもしれんな……」とさえ思えてくる。
画の基調はポストHD時代らしいノイズ感のない清廉なもの。画面に炸裂する光彩と色彩は濃厚かつ絢爛、それでいてのっぺりとした表情にはならず稠密なディテールをさも当然のように湛えている。
特に素晴らしいのは俳優たちのクローズアップ。強調感やノイズ感の一切ない画調ながら、持ち前の解像感と膨大な情報量のおかげで、かつてない立体感――もはや実在感と呼んでいいほどの――が実現されている。
こんな具合に手放しに絶賛できる画質なわけだが、一部のシーンでノイジーになったり急に甘くなったり、完璧に画質が維持されるわけではない。もしそうだったら間違いなく15☆が付いた。あとは、シーンによってはCGの出来が妙にしょぼかったりするのが気になるといえば気になる。船からコンテナが吹っ飛ぶシーンなんか特に。
【4K/HDR環境での追記】
HDRよりも純粋な解像感と情報量で4Kの凄みを感じるタイトル。
健全でカラフルで明るい、万人受けする画調でありつつも画質の基礎体力は圧倒的。「これがUHD BDだ!」ということを見せる時にも使えそう。
元が良いからこそ、器の大きさが活きる。
○見どころ
アポカリプスの顔
○音質
祝・X-MENでアトモス。ところで「アトモス」ってミュータントの名前に使えそう。
冒頭、ピラミッドが崩落する際の空間を塗り潰す巨大感と重厚感から素晴らしいテンションで鳴り響くオープニングタイトルへの見事な遷移を耳にして、コレはきっと凄いぞとの確信があった。実際、X-MENは元々BGMの朗々たる鳴りっぷりに(主に私の中で)定評のあるシリーズで、その美点をさらに磨き上げつつ本作では効果音のダイナミズムも大いに増している。
大作映画らしい緻密なマルチチャンネル・サラウンドにじゅうぶんな威力が加わり、黙示録をまさに音でもって体感できる仕上がりになっている。
オブジェクトオーディオの活用はクイックシルバーの活躍やマグニートーが巻き上げる瓦礫などで効果が感じられ、特にセレブロのシーンにおいてはトップスピーカーが大活躍。自信を包む球場の空間に光点が音を伴って浮かび上がる様は、X-MEN史上最高のセレブロ体験と言っていい。
ダイアローグの質感もかつてないほど良好。アポカリプスの胡散臭い声も濁ったり窮屈さを感じたりすることなく再現できている。
とにかく全方位的に素晴らしい映画音響である。
○聴きどころ
音楽全般
セレブロ
○総評
X-MEN新三部作の最終作にして、疑いようもなくX-MENシリーズのBD(コレはUHD BDだけど)として最高品質。ちなみに『フューチャー&パスト』のUHD BDは基準に照らして買っていない。
ある意味では『X-MEN 3』の頃からBDと共に歩んできたシリーズが、ついにUHD BDで最高の品質に達したのだと思うと、なんだか感慨深いものがある。
○再生環境(詳細はコチラ)
・ソース
Panasonic DMP-UB90
・映像
Victor DLA-X30
KIKUCHI SE-100HDC
→LG OLED55B6P
・音響(センターレス6.1.4ch)
Pioneer SC-LX59
Nmode X-PM7
Nmode X-PW1 ×3(サラウンドにモノラル×2、サラウンドバックにステレオ×1)
Dynaudio Sapphire
Dynaudio Audience122(サラウンド)
Dynaudio Audience52(サラウンドバック)
ECLIPSE TD307MK2A ×4(トップフロント・トップリア)
ECLIPSE TD316SWMK2
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