SC-LX59のアップデートの結果、DTS:Xが再生可能になったのはいいが、ドルビー系の音声にはDolby Surround/ドルビーサラウンドしかかけられなくなり、DTS系の音声にはDTS Neural:Xしかかけられなくなった。
 それどころか、ストレートデコード(素の状態での再生)が出来くなり、常にDolby SurroundもしくはDTS Neural:Xがかかった状態になった。

 というわけで、DTS Neural:Xの実力を図るべく、今ではすっかり珍しくなったリニアPCM収録のタイトルを用意した。
 ちなみにリニアPCMに対してなら、素の再生・Dolby Surround・DTS Neural:Xのいずれかを選択できる。
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『ステルス』

効果:大

 BD最初期の超優秀音質盤。
 期待通り戦闘機の空間表現が大幅に強化されただけでなく、劇伴も積極的にトップスピーカーが活用される。全方位的に効く。



『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』

効果:中

 トップスピーカーのおかげで音が空間に充満するイメージが強まり、全体的に生気が増す。いまいち盛り上がらない本作の音を底上げするにはじゅうぶんな効果と言える。


『オペラ座の怪人』

効果:小

 数々の劇伴はきちんとトップスピーカーに割り振られ、確かに包囲感の向上が得られるが、そもそもチャンネルベースの時点で完成されていた音響であり伸びしろは小さい。



 一応、『ガールズ&パンツァー 劇場版』も見てみた。
 Dolby Surroundをかけるとかなりの効果があったが、DTS Neural:Xではどうか。

 ……DTS Neural:XでもDolby Atmosをかけた時と遜色のない効果が得られている。

 ガルパンに限らず、空間表現の緻密化を狙ったDolby Atmosに比べてDTS Neural:Xはエネルギー感の充実を志向しているように感じる。トップスピーカーの音量もDolby Atmosに比べて大きいようだ。
 とにかくどちらのアップミックスでもある程度の包囲感や移動感の向上が得られ、せっかく取り付けたトップスピーカーが無駄にならずに済む。それでいい。


 「ドルビーアトモスが楽しみでしかたない」と書いてから2年以上、とうとうオブジェクトベースシアターの完成を見た。
 あとは、今までもそうだったように、地道に磨き上げていくだけである。



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