画質:12 音質:13


映像はAVC、SPEらしい手慣れたエンコード。
音声はリニアPCMの16bit。

画質について。
素晴らしい。
SPEのソフトとして時期的に近い蜘蛛男3の超絶画質に肉薄する素晴らしい高画質。
絶対的に豊富な情報量をベースにしつつもしっとりした画はまさに蜘蛛男3を彷彿とさせるが、さらにハイコントラストかつ濃厚な色彩を見せる。闇夜においても解像感は落ちず、その中を疾走するクソかっこいいバイクのぎらぎらとした光沢も実に鋭く輝かしく決まっている。新旧ライダーがついに邂逅を果たす場面なんて鳥肌もんだね!
闇は深く美しく、光は鋭く輝かしく、色彩は濃厚で力強い。それぞれが非常に自信を主張しながらも決して破綻することなく、実に素晴らしい画を実現している。

音質について。
素ン晴らしい。
バイク、チェーン、炎、これだけ音響的に面白い素材を集めておいてつまらなくなるはずがない。つまらなくなる例もあるが。(某三部作の最終作とか)
映画音響におけるバイクは正直なところ私の中の比較対象がAKIRAくらいしかないが、そのAKIRAと比しても全く遜色がないどころか、映画音響に対する意識の変化によるものか、現実感や臨場感といったものはAKIRAのそれを凌駕さえする。走るバイクの横でアワレにも吹っ飛ぶ諸々の効果音も派手派手で実に楽しい。
空を切り裂くチェーンは本作におけるサラウンドの移動感を大いに盛り上げる。基本的にスローモーションを多用する種類の映像なので、チェーンの音もそれに合わせてびゅおおおおおおんと長く尾を引く。決して鈍くなるようなことはなく、硬く強くしなやかに、縦横無尽に音が駆け巡る。
最後に炎。素晴らしい“灼熱感”。貴様の魂を焼き尽くすッ! 死と恐怖と狂気と罪過を赤熱の業火で焼き焦がし燃やし尽くし灰燼に帰す、この灼熱感はサンシャイン2057以来のもの。概念のエネルギーが直接音として打ち出されるこの昂揚感。
最低限の方法論以外はひたすら感情的におもしろおかしく作られた楽しい音響。素ン晴らしい。



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