【4K/HDR環境の導入に伴い、2016/11/05初出の記事を更新・追記】
【BDレビュー】第268回『アメイジング・スパイダーマン2』
画質:8 (HD環境・BDと同じ土俵での暫定評価:11)
音質:15
(評価の詳細についてはこの記事を参照)
映像:HEVC 35mmフィルム撮影・4Kマスター
音声:Dolby Atmos トップスピーカーの活用:大 オブジェクト効果:大
○画質
BD版と同様、フィルムグレインをしっかり効かせた、ある意味今となっては懐かしい画。そして残念ながら、BDからUHD BDになった恩恵は期待していたほど大きくはなかった。
確かに見通しは良くなっているし、スパイダーマンのスーツのディテールなど、情報量の向上は感じられる。それでも、相変わらずシーンによっては粒状感が過剰に思えるし、デジタル撮影の今風の高画質とは少々毛色が異なる。
本作はフィルム撮影からの4Kマスターながら、『イミテーション・ゲーム』や『鑑定士と顔のない依頼人』と比べてしまうと、正直言ってフィルムならではの良さが活かされたマスターとは言い難い。
エレクトロの肌に走る光の表現や雷撃といったCG全開のオブジェクトに関してはHDRが大いに効果を発揮しているようで、HD/SDR環境で見てもディテールの向上が確認できる。
ネイティブ4Kのディスプレイで見れば、もしかしたらフィルムグレインが巧い具合に画素に散っていい塩梅になるのかもしれない。
【4K/HDR環境での追記】
もしかしたらフィルムグレインが巧い具合に画素に散っていい塩梅になるのかもしれない→ならなかった。情報量とノイズのバランスは結局厳しいまま。
とはいうもののフィルム撮影の4Kマスター作品として解像感は上々であり、4Kの恩恵は感じられる。
HDR感は流石の一言。闇が深まると同時に雷撃の青光は輝きを増し、さらなるテンションで襲い掛かる。
○見どころ
エレクトロ
○音質
DTS-HD Master Audio 5.1ch収録のBD版(音質評価:13)に比べて、空間性の向上が著しい。
縦横無尽に飛び回るスパイダーマンとエレクトロの雷撃迸る死闘にトップスピーカーからの音が完璧に追随し、威力・音の豊富さも申し分なし。グリーンゴブリンの哄笑も上からヒャッヒャッヒャッヒャとそりゃもう面白く降ってくる。
感心したのは音楽の活用で、単純にBGMをそのまんまトップスピーカーからも鳴らすような使い方ではなく、トップスピーカーまで考えられた周到なミックスが施されている。さらに音楽で、トップスピーカー4本の間で完全なステレオ音場まで構築されているのにはたまげた。アクション映画的な外連味だけでなく、音楽での活用においてもオブジェクトオーディオの可能性の大きさが垣間見えた。
『ヘルボーイ ゴールデン・アーミー』、『ダークナイト ライジング』と並び、蜘蛛男もアメコミ映画で最高峰の音を実現した作品となった。
○聴きどころ
エレクトロ
○総評
画はネイティブ4Kディスプレイでのリベンジに期待。音はもう最高なので言うことはない。
それにしてもデイン・デハーン若い……
○再生環境(詳細はコチラ)
・ソース
Panasonic DMP-UB90
・映像
Victor DLA-X30
KIKUCHI SE-100HDC
→LG OLED55BP6
・音響(センターレス6.1.4ch)
Pioneer SC-LX59
Nmode X-PM7
Nmode X-PW1 ×3(サラウンドにモノラル×2、サラウンドバックにステレオ×1)
Dynaudio Sapphire
Dynaudio Audience122(サラウンド)
Dynaudio Audience52(サラウンドバック)
ECLIPSE TD307MK2A ×4(トップフロント・トップリア)
ECLIPSE TD316SWMK2
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