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【BDレビュー】第312回『鑑定士と顔のない依頼人』

画質:15
音質:15
(評価の詳細についてはこの記事を参照)

映像:AVC
音声:ドルビーTRUEHD 5.1ch advanced 96k upsampling


○画質
 『オブリビオン』的な、被写体との間に不純物が一切介在しないかのような凄まじい解像感と透明感に加え、『007 スカイフォール』的な、静謐にして淑やかな空気感を備えた凄まじい画。
 数多登場する絵画やら美術工芸品やら建物の内装やら、あらゆる部分に膨大なディテールが備わっている。特に絵画は表面の凹凸まで浮き彫りにし、細部に神が宿っている。
 極まった高画質で、存在自体が美しいものを見るという愉悦。
 人物絡みの描写も最上級。衣服の質感は繊維の一本一本まで見えるほど克明であり、ハイライトが白飛び一歩手前で粘る人肌の表現は、人物描写に言い知れぬ緊張感を常に付加する。
 息詰まる豪華絢爛。凄いものを見た。

○見どころ
 数多の美術品


○音質
 良すぎる。
 まず劇伴が音楽として良すぎる。そして音も極めてオーディオ的に良すぎる。さらに凄まじくアグレッシブにマルチチャンネルが活用されている。恐ろしく繊細にして存在感際立つストリングスからコーラスに到るまで、例えばレフト→サラウンドレフト→サラウンドライト→ライトという具合にぐるっと動き回るなんてのはちょっと体験したことがない。
 ダイアローグも良すぎる。声は重みと渋みと湿り気を湛えた抜群の質感で、聴く者の感情を揺り動かす迫真性を持っている。さらにサラウンドの活用まで抜群に巧い。壁越しの会話ではカメラワークに応じて声の位置も変わるとともに、マルチチャンネルを駆使した残響や反響の表現により素晴らしい空間性を生み出している。
 効果音も徹底的に練り込まれ、ひとつひとつ丁寧に積み重ねることで作品世界の構築に大きく寄与している。とあるカメラワークで歯車式の時計が右後方にあるなら、当たり前のように音もそこから鳴る。空間構築に一切の妥協なし。
 旨いし巧い。アクション映画のドンパチとはまた別のベクトルで極大の絶対値を持っている。
 素晴らしい。

○聴きどころ
 あらゆる劇伴
 あらゆるダイアローグ
 歯車


○総評
 【BDレビュー】で画質も音質も評価が完全にオーバーフローしてしまっている昨今にあって、なお久々に出会った超々優秀盤。実写作品のBDにおけるギャガの盤石さはアニメ作品におけるディズニーと双璧を成すと言ってもいい。いくら褒めても足りないくらいだ。
 それにしてもこの作品、展開が上手なのに加えて俳優陣の圧巻の演技、豪華な映像のおかげで見ている最中はさして気にならないが、話の前提に無理があるような……



○再生環境(詳細はコチラ

・ソース
OPPO BDP-103

・映像
Victor DLA-X30
KIKUCHI SE-100HDC

・音響(センターレス6.1ch)
Pioneer SC-LX85
Nmode X-PM7
Nmode X-PW1 ×3(サラウンドにモノラル×2、サラウンドバックにステレオ×1)
Dynaudio Sapphire
Dynaudio Audience122
Dynaudio Audience52
ECLIPSE TD316SWMK2



【BDレビュー】総まとめ

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