前日:天明4年10月13日/平成30年11月25日


天明4年10月14日(新暦換算:11月26日)

秋田県羽後町西馬音内




 十四日。風は治まって、雪霰が降った。私は一人起きていて、手習いに畳紙に物を書いていると、夜の更けた家のつまに月光が差し入り、

むら時雨 ふり來ぬほとは 板ひさし もりてやここに 月かけそさす。



 こうして雪の夜が更けていく。


 この後、大雪と吹雪に閉ざされてどこにも行けなかった真澄の日記は三日間途切れ、天明4年10月18日から再スタートする。
 齶田濃刈寢、初の小休止である。

 一方、平成30年の秋田は割と本気で暖冬である。
 真澄は日記を書く気力さえ凍り付いたのとは対照的に、雪が降りすらしない。




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●『齶田濃刈寢』本文・参考文献

『秋田叢書 別集 第4』 秋田叢書刊行会, 1932
『菅江真澄遊覧記1』 内田武志・宮本常一編訳, 東洋文庫, 1965

記事中の【見出し】は『秋田叢書』にあるものをそのまま使っている



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次の日記:天明4年10月18日/平成30年11月30日



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初めて秋田の地を踏んだ菅江真澄と歩く、234年後のリアルタイム追想行脚

『菅江真澄と歩く 二百年後の勝地臨毫 出羽国雄勝郡』
江戸時代後期の紀行家・菅江真澄の描いた絵を辿り、秋田の県南を旅した紀行文


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