前日:天明5年1月15日/平成31年2月23日


天明5年1月16日(新暦換算:2月24日)

秋田県湯沢市 湯沢の町中




【ふきとり餅】

 十六日。朝から雪が降り、耐えがたい寒さである。家ごとに食べる、“ふきとり餅”というのは、熱い湯に入れた餅に豆の粉を振りかけた様子が、吹雪に人が吹かれることを“吹とり”《吹き倒れだろうか》ということに似ているので、このことにたとえたのだろうと言うが、本当は“福取餅”だろう、とある老人が言っていた。


 これはとてもいい話。

 なんでもかんでも「昔の資料を読めば物事の由来がわかる」と思われがちだが、現実は違う。
 真澄が訪れた234年前の時点で、既に由来がわからなくなっているものだってごまんとあるのである。


 さて、真澄の日記によれば234年前の今日は耐え難い寒さだったようだが、234年後の今日は実に見事な快晴だった。
 ここんとこ天気の良い日が続き、週間天気予報を見ても、もうこのまま春になるんではなかろうかという感じである。


 というわけで、雪もこんなに融けた。




 とはいえ、道の両脇の雪は場所によってはまだ私の背丈ほどある。



 こういう駐車場の脇にこんもりと寄せられたような雪や軒下に溜まった雪は、日当たりにもよるがGWあたりまで残ることもザラである。


 おそらくもう何度か雪が降る機会もあると思うが、冬の終わりを肌で感じる今日この頃である。




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●『齶田濃刈寢』本文・参考文献

『秋田叢書 別集 第4』 秋田叢書刊行会, 1932
『菅江真澄遊覧記1』 内田武志・宮本常一編訳, 東洋文庫, 1965

記事中の【見出し】は『秋田叢書』にあるものをそのまま使っている



※この記事の写真は平成31年2月24日に撮影したものです



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翌日:天明5年1月17日/平成31年2月25日



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『菅江真澄と歩く 二百年後の勝地臨毫 出羽国雄勝郡』
江戸時代後期の紀行家・菅江真澄の描いた絵を辿り、秋田の県南を旅した紀行文


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