画質:8
音質:14
(評価の詳細についてはこの記事を参照)
映像:HEVC 2.8K/3.4K撮影・4Kマスター
音声:Dolby Atmos トップスピーカーの活用:大 オブジェクト効果:中
○画質
監督はこういう画が好きなのか? というわけで監督繋がりの『ボーダーライン』と画の方向性がよく似ている。
カリカリに切れ上がる画ではなく終始なめらかな質感ながら、解像感・情報量はじゅうぶん。要所要所ではっとする画が見られる。そして何より、画質の乱高下が見られがちなUHD BDのなかで、全編通じて画質が安定しているという得難い美点がある。
HDR効果は輝度ピークの伸びという点でも、緻密なグラデーションという点でも、暗部の情報量増加という点でも、いまいちぱっとしない。色鮮やかな街の灯りはブレードランナーの大きな特徴のはずだが、2019年から30年経った結果ますます大気の状態が悪化したようで、基本的に外の光景は濃い灰色に覆われてしまった。その灰色の大気やら後半のラスベガスの黄土色の大気やら、作中で多く登場するモノトーンのシーンでは終始バンディングが出ているような出ていないような危うさを感じる。暗部の情報量に関して言えば、そもそも暗部の階調をすっぱり切り落として闇と影で語る映像のスタイルなので、それはそれでよい。
○見どころ
記憶の中の緑
タイレル社あらためウォレス社
○音質
爆発的な勢いで音楽が鳴り響く。とにかく圧倒的に音楽が雄弁であり、本作における音響の主体は紛れもなく音楽。トップスピーカーも過去最高と思える豪快さで、トップスピーカーだけで足りるレベルの音量で音楽を響かせる。トップスピーカーを含めた全チャンネル総動員の音楽再生による包囲感は凄まじく、空間を埋め尽くして否応なく作品世界に塗り替えるだけの力を持っている。サブウーファーも終始咆哮する。もちろん、繊細な音楽の存在感も様々なシーンで同様に際立っている。
静寂が支配するシーンにおいては細かく積み重ねられた効果音や力強いダイアローグが主役となり、こちらの聴き応えもじゅうぶんにある。主人公Kの銃撃は過剰なほどの威力を放つなど、アクションシーンの爆発力も素晴らしい。ただ、音楽の凄まじい包囲感に比べると効果音による移動感はそれほどでもない。
○聴きどころ
音楽全般
ゴミ捨て場の戦闘
○総評
順当な高画質&高音質盤としておすすめできる。
映像的にも物語的にも『イノセンス』を思い出すのは私だけだろうか。
それはそうと、SPEのUHD BDはあまりにもメニューが使いづらい。何考えてんだ。
○再生環境(詳細はコチラ)
・ソース
Panasonic DMP-UB90
・映像
LG OLED55B6P
・音響(センターレス6.1.4ch)
Pioneer SC-LX59(AVプリとして使用)
SOULNOTE A-2(フロント)
Nmode X-PW1 ×4(フロント以外の全チャンネル)
Dynaudio Sapphire(フロント)
Dynaudio Audience122(サラウンド)
Dynaudio Audience52(サラウンドバック)
ECLIPSE TD307MK2A ×4(トップフロント・トップリア)
ECLIPSE TD316SWMK2(サブウーファー)
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