*

【UHD BDレビュー】第14回『Sicario / ボーダーライン』 北米盤 【Dolby Atmos】

uhd-bdsicario-%e3%83%9c%e3%83%bc%e3%83%80%e3%83%bc%e3%83%a9%e3%82%a4%e3%83%b3

画質:15 (画質はHD環境・BDと同じ土俵での暫定評価)
音質:13
(評価の詳細についてはこの記事を参照)

映像:HEVC 3.4K撮影・4Kマスター
音声:Dolby Atmos トップスピーカーの活用:中 オブジェクト効果:小


○画質
 『ノーカントリー』を現代的かつ極めて高品質にした印象の画。一昔前からすれば想像もできないような恐るべき高画質である。
 強い日差しが照り付け、充実した光量の得られるシーンの解像感は10点越えの超高画質タイトルの中にあってなお隔絶し、映し出される人物の立体感、実在感は計り知れない。陰鬱かつ光量に乏しいシーン(本作ではこちらが支配的)においても、夜闇の中にあっても、完璧な解像感が安定して維持される。おどろおどろしく、不健康で、血生臭く、克明。それでいて粒状感は極小に抑えられており、毒々しさよりもむしろ見通しの良さが勝る。
 背景や小道具のディテール描写も極めて稠密。陽を透かしたカーテンが織り成す陰影などは迫真の表現を見せる。

○見どころ
 人物描写


○音質
 これまた『ノーカントリー』を連想させる、静寂から一気に空間を切り裂く瞬発力に満ちている。本作はドンパチ映画ではないので銃撃の頻度・規模ともにそれほどでもないが、放たれる銃声はどれもこれも存在感抜群。物量には頼らずとも、聴いていて汗をかく類の音響である。
 音楽は朗々と鳴って場を盛り上げるようなものではなく、密やかに、低音域を中心に脈打つ鼓動の如き旋律が緊迫感の醸成に大きな仕事をしている。小音量かつ輪郭明瞭な低音再生が求められる、なかなか難易度の高いサウンド・トラックと思われた。
 オブジェクトオーディオについては、飛び去るヘリ、頭上への着弾と舞い散る砂礫、機会は少ないながらも非常に明瞭かつ的確な音がトップスピーカーから飛んでくる。環境音と音楽もトップスピーカーに振られている。
 とはいえ、本作は基本的に静寂が支配する作品であり、要所要所でトップスピーカーの的確な活躍はあれど、全体として映像体験を激変させるものではない。

○聴きどころ
 冒頭
 高速道路での一幕


○総評
 内容、画、音、いずれも非常にハイレベル。あまり一般受けする作品とは思えないものの、私にとっては充実した映画体験だった。
 それはそうと、『ALL YOU NEED IS KILL』といい、本作といい、エミリー・ブラントってなんかマッチョな役が妙に多くなった気が……



○再生環境(詳細はコチラ

・ソース
Panasonic DMP-UB90

・映像
Victor DLA-X30
KIKUCHI SE-100HDC

・音響(センターレス6.1.4ch)
Pioneer SC-LX59
Nmode X-PM7
Nmode X-PW1 ×3(サラウンドにモノラル×2、サラウンドバックにステレオ×1)
Dynaudio Sapphire
Dynaudio Audience122(サラウンド)
Dynaudio Audience52(サラウンドバック)
ECLIPSE TD307MK2A ×4(トップフロント・トップリア)
ECLIPSE TD316SWMK2



【Dolby Atmos/DTS:X】オブジェクトベースシアターへの道・まとめ

【UHD BDレビュー】総まとめ

【BDレビュー】総まとめ

スポンサーリンク


関連記事

【ハイレゾ音源備忘録】 Yes / Going For The One

・アーティスト / アルバムタイトル Yes / Going For The One ・購入

記事を読む

no image

【BDレビュー】 第150回『ブレイブハート』

画質:12 音質:10 映像はAVC、音声はDTS-HDMAの24bit 画質につい

記事を読む

LANケーブルで音は変わるか?

【ネットワークオーディオの魔境を往く】 - いったい何が始まるんです?  ネットワーク

記事を読む

no image

【BDレビュー】 第28回『プレデター』

血が出るなら殺せる 画質:5 音質:9→13 映像はMPEG-2でビット

記事を読む

音展のおみやげ:NVSのでかくて太くて重いケーブル

 LUMIN A1の本体と外部電源を繋ぐNVS製ケーブルの試作品を借りてきた。  でかい。

記事を読む

Marantz SR7009

マランツ、同社初のDolby Atmos対応AVアンプ SR7009」。音場補正用マイクとスタンドも

記事を読む

ネットワークオーディオの現状と展望

 愚痴の書き散らし。  何度同じことを書いたかわからない。  LUMIN A1を導入

記事を読む

exaSound PlayPointがRoonReady & Roon Serverで国内一番乗りになったぞ

 一番乗りおめでとう。 exaSoundからネットワークトランスポート「PlayPoint」。

記事を読む

DELA N1Z 来たる

 色々と御縁があり試用する機会に恵まれた。  LUMIN L1同様、まずは開梱&外観&初回起動

記事を読む

【音源管理の精髄】 ネットワークオーディオのデメリットと、それを克服するために 【ネットワークオーディオTips】

 ネットワークオーディオのメリットとはその大部分が「音源をデジタルファイルとして管理運用することのメ

記事を読む

スポンサーリンク

Comment

  1. 甲府@中山 より:

    こんばんは、最近よく拝見しています。
    こちらの北米版UHDBDですが、日本語字幕
    は入っていたでしょうか?

  2. 甲府@中山 より:

    回答ありがとうございました。
    凄い評価だったので、つい書き込んでしまい、
    すいませんでした。
    「X-men apocalypse」
    「Tarzan」
    「The shallows」
    「Pacific rim」
    など、日本語字幕吹き替えとも入っている上、
    HDRの仕上がりも極上のソフトがあるので
    確認したくなりました。それでは失礼します。

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

スポンサーリンク

【Munich HIGH END 2017】記事まとめ

 Munich HIGH END 2017で気になった製品やら何やら。

【レビュー】SOULNOTE D-1 音質編

外観・運用編 ・再生環境(詳細) canarino

【Munich HIGH END 2017】SFORZATO / fidata in Munich

 Munich HIGH END 2017で気になった製品やら何やら。

【Munich HIGH END 2017】Cocktail Audio CA-X50 【Roon Ready】

  Munich HIGH END 2017で気になった製品やら何やら

【Munich HIGH END 2017】constellation audio LEO 【Roon Ready】

 Munich HIGH END 2017で気になった製品やら何やら。

【Munich HIGH END 2017】Roon Labs自身による“Nucleus” Roon Server

 Munich HIGH END 2017で気になった製品やら何やら。

【Munich HIGH END 2017】Playback Designs Dream DAC MPD-8 / Transport MPT-8 【Roon?】

 Munich HIGH END 2017で気になった製品やら何やら。

【Munich HIGH END 2017】DELAの進化は続く

 Munich HIGH END 2017で気になった製品やら何やら。

【Munich HIGH END 2017】Mark Levinson No519 【Roon Ready】

 Munich HIGH END 2017で気になった製品やら何やら。

【Munich HIGH END 2017】dCS Vivaldi One 【Roon Ready】

 Munich HIGH END 2017で気になった製品やら何やら。

【Munich HIGH END 2017】Ayre QX-8 / AX-8 【Roon Ready】

 Munich HIGH END 2017で気になった製品やら何やら。

【Munich HIGH END 2017】MSB Technology The Reference DAC 【Roon Ready】

 Munich HIGH END 2017で気になった製品やら何やら。

【Munich HIGH END 2017】AURALiC G Series 【Roon Ready】

 Munich HIGH END 2017で気になった製品やら何やら。

言の葉の穴・四周年

 三周年記事で地元ネタ全面解禁宣言をしてから1年。  主に私のや

【Munich HIGH END 2017】Dynaudio Special Forty

Dynaudio Special Forty https://y

【レビュー】SOULNOTE D-1 外観・運用編

 SOULNOTEのDACには、対応フォーマットのスペックを偏重する流

LUMIN U1がDSD256に対応

LUMINのネットワークトランスポート「U1」、11.2MHz DSD

【菅江真澄紀行文】『菅江真澄と歩く 二百年後の勝地臨毫 出羽国雄勝郡』が完成しました

小町ゆかりの地「真澄と歩く」出版プロジェクト - FAN AKITA

【御礼】ヘッドホン祭&北陸オーディオショウ(デジ研)・OTOTEN 2017が終了しました

春のヘッドホン祭2017 / 第2回北陸オーディオショウの「デジ研」に

【おしらせ】OTOTEN 2017に参加します

 久々だと思っていたら三週続けてのイベント参加です。 O

→もっと見る

PAGE TOP ↑