画質:10
音質:12
(評価の詳細についてはこの記事を参照)
映像:HEVC 6.5K撮影・2Kマスター
音声:Dolby Atmos トップスピーカーの活用:中 オブジェクト効果:大
○画質
全編に渡ってケチの付け所が見当たらない超高画質。この画を見てしまうと、もうマスターが2Kだなんだという話は彼方に吹っ飛ぶ。
前々作は言うまでもなく、前作と比べても完全に異次元の向上である。この三年でいったい何が起こったというのか。
冒頭の森を行く兵士たちのシーンからしてBDとは異次元の画である。切れ上がる解像感、エイプたちのもはや触れそうなレベルのディテール、粒状感ゼロの極めて透明な空気感は終始維持される。
HDRの恩恵も随所に満ちる。太陽、空、ライト、炎は常に余裕のある光量と豊かな色彩を両立し、強い光が当たる部分も白飛びせず、むしろさらなるディテールを曝け出す。高輝度と隣り合う影や暗部は決して単純な闇に沈まずしっかりとした情報量を湛える。まばゆい雪原の白の中の白、その中をゆくエイプたちの毛並みの黒の中の黒が同時に、滑らかなグラデーションでもって克明に描写される。濡れて黒々とした体毛がライトに当たり、毛先に浮かぶ微小な水滴が極小の輝きを照り返す。ひたすら自然環境での撮影にこだわった『レヴェナント』に対して本作の映像はエイプをはじめとしてCGまみれなのだが、それでも最終的に映像から受ける印象は同じく「自然」というもの。掛け値なしに、「肉眼で見る世界」に近い感触がある。10点満点!
○見どころ
シリーズを重ねるに連れて目つきが悪くなるシーザー(主人公のチンパンジー)
いぶし銀の活躍で魅せるロケット(毛の薄いチンパンジー)
ぶれない参謀役のモーリス(オランウータン)
やたらとイケメンなルカ(ゴリラ)
めんこいノバ(人間)
○音質
とうとう猿の惑星シリーズもオブジェクトオーディオ化。冒頭の森のシーンからし濃密な空間を味わえる。猿の動作音や鳴き声の配置や移動感は精密そのもので、「鳴るべきものが鳴るべき所で鳴る」というオブジェクトオーディオの理想を体現する。
全編通じてダイナミックレンジの広い音作り。常に大音量で攻め立てるものではなく、静かなシーンは繊細に囁くように、暴力的なシーンでは迫真の威力を提供する。クライマックスの戦闘シーンにおける爆発力も素晴らしい。
強いて言えば、トップスピーカーをもっとけたたましく活用してほしかったということくらいか。
○聴きどころ
アルファオメガ部隊の基地
○総評
シリーズものなので前々作・前作、さらに言えばオリジナルシリーズを見ていることが前提ではあるものの、作品として超面白く、画質音質ともに超高品質。
全方位的に最高である。必見。
でも、シリーズでUHD BDを買うのは本作だけでいいかもしれない。
○再生環境(詳細はコチラ)
・ソース
Panasonic DMP-UB90
・映像
LG OLED55B6P
・音響(センターレス6.1.4ch)
Pioneer SC-LX59(AVプリとして使用)
Nmode X-PM7(フロント)
Nmode X-PW1 ×4(フロント以外の全チャンネル)
Dynaudio Sapphire(フロント)
Dynaudio Audience122(サラウンド)
Dynaudio Audience52(サラウンドバック)
ECLIPSE TD307MK2A ×4(トップフロント・トップリア)
ECLIPSE TD316SWMK2(サブウーファー)
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