【BDレビュー】第279回『猿の惑星:新世紀(ライジング)』


画質:7
音質:9
(評価の詳細についてはこの記事を参照)

映像:HEVC 2.8K撮影・2Kマスター
音声:DTS-HD Master Audio 7.1ch 24bit


○画質
 目を見張るようなキレや光彩……と言うには穏やかすぎる画が続くが、一貫して画質は安定している。前作に比べれば全体的な画質の向上は明らか。薄暗く湿った森の情景も、濁らず、汚れず、しっかりと細部まで情報量と色彩が維持されている。
 猿のディテールもだいぶ増している。濡れた体毛の表現などはさすがに素晴らしい。が、4Kの土俵で燦然と存在感を主張するには、あと一歩ディテールが足りていないという印象も受ける。
 ちょいと気になったのが暗部への引き込みの早さ。最暗部までなだらかに階調が続かず、ある程度輝度が低くなると一気に情報が消失する。夜の森や暗い室内などのシーンでは情報量的にちょっと寂しいことになっている。
 結局のところ、UHD BDならではの「BDとは一線を画した凄味」を感じることはさしてなかった。言の葉の穴の【UHD BDレビュー】における7点と8点の差は大きい。

○見どころ
 冒頭の狩り


○音質

 なぜDolby Atmosで収録しなかったんだ、と思ったが、まあどうせそのうちDTS:Xバージョンが出るだろう。気長に待つべし。
 本作はTOHOシネマズ日本橋でアトモス上映を見て、その音の素晴らしさに驚愕した作品であるので、Dolby Atmos収録ではないとはいえ、BDの音にも激しく期待していた。
(中略)
 劇場でのアトモス体験と比較しなければ、特に問題なく高品質な音であることは間違いない。猿の数も鉄火の数も増え、劇伴もより勇壮かつ荒々しくなった。アクション映画としてまったく不足のない音響である。
 しかし、本作の音の真価はまだまだこんなものではないはずだ。

  【BDレビュー】第279回『猿の惑星:新世紀(ライジング)』より

 出ませんでした……

○聴きどころ
 音声がDolby Atmos/DTS:Xで収録されなかったことを嘆く私の嗚咽


○総評
 作品自体は文句なしに面白いのである。
 しかし、それはそれ、これはこれ。
 BDからUHD BDへの伸びしろは期待していたほど大きくなかった。



○再生環境(詳細はコチラ

・ソース
Panasonic DMP-UB90

・映像
LG OLED55B6P

・音響(センターレス6.1.4ch)
Pioneer SC-LX59(AVプリとして使用)
Nmode X-PM7(フロント)
Nmode X-PW1 ×4(フロント以外の全チャンネル)
Dynaudio Sapphire(フロント)
Dynaudio Audience122(サラウンド)
Dynaudio Audience52(サラウンドバック)
ECLIPSE TD307MK2A ×4(トップフロント・トップリア)
ECLIPSE TD316SWMK2(サブウーファー)



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