*

【地元探訪・小野小町編】岩屋堂(湯沢市小野字別水林) その2

公開日: : 地元ネタ, 小野小町, 湯沢市, 秋田

201610280103小野小町史跡

秋田県湯沢市雄勝町の小野小町伝承


岩屋堂 その1


 前回の続き。

 これから山を登っていく。
201611210119

 さすがにスニーカーで行くのは躊躇われる。
201611300101

 登る。
201611300102

 小野小町もこの道を歩いたのだろうか。
201611300103

 終焉は近い。
201611300104


 ……


 …


 正直なところ、【地元探訪】で岩屋堂を紹介するかどうかは非常に悩んだ。


 というのも、地元の恥を晒すことに他ならないからだ。


 ちょいと前、「【善意が生んだ悲劇】80代の女性が勝手にキリスト壁画の修復を試みる → 絵が下手すぎて顔が別人に」というニュースがあった。

 このニュースは悲喜劇というか、外野から見ているだけなら多分に喜劇の色合いが濃いような気がする一方で、当事者にとってはたまったものではないだろう。


 近年、岩屋堂でも同じようなことが起こってしまったのである。


 岩屋堂傍らの案内看板。なお、横にはゆざわジオパークの解説板もある。
201611300106

  岩屋堂
 小町が晩年を過ごした祠

 小町が晩年、世を避けて住んでいた広さ二十畳程の祠で、岩には鴨居や敷居の跡が見られます。
 小町はここで香をたきながら、一人自像を刻んで暮らしていましたが、昌泰三年(900)、九十二歳でその生涯を閉じました。
 当時の岩屋堂は現在のような杉林はなかったため、入り口の前に立つと眼下に長鮮沢(深草少将の仮住まい長鮮寺があったところ)をはじめ、小野の里が一望できました。
 この景色を眺めながら小町はどのような想いをめぐらしていたのでしょうか。

  湯沢市



 コレが今日の岩屋堂の姿である。
201611300105

 以前の姿がどうであったかはこのページに詳しい。


 かつて山中に大口を開けていた岩屋堂は○○屋の如き意味不明な格子が取り付けられ、地面もコンクリで乱雑に舗装されてしまった。
201611300112
201611300108

 どこの誰がどのような発想でもってこんなことをしたのかは知らないが(なんとなく想像はつくが)、このような有様にしておきながら、「かつて世俗を去って岩屋堂に籠った小町の心境を想ってください」などと言うのだろうか。

 ああ無惨。

 湯沢市雄勝町の小野小町は、他の伝承地とは比べ物にならないほど、このうえなく地元民に愛されている小野小町だと思っていたのに。
 せめて、この有様が地元の総意ではなく、小町の人生や精神性を蔑ろにしていかにも観光受けする「見た目の派手さ」にしか興味が無いごく一部の人々の暴走の結果であることを願うのみである。


 ……というわけで気を取り直して、岩屋堂の中を見てみる。
201611300109

 奥まった場所にはいつの頃からか置かれるようになった小町の像がある。
201611300110

 案内看板に書かれていたように入り口から振り返った光景。
201611300111

 確かに、杉林さえなければ深草少将の眠る長鮮寺を含めて小野の郷を一望できる場所となっている。
201611300113


 現実的に老境の女性が一人で岩屋堂で暮らしたとは考えられないということで、実際に小町は道中にあった小野寺で過ごしていたのではないかという説もあるようだ。


 いずれにせよ、小町は深草少将の死を経て俗世から去り、岩屋堂で一人余生を過ごし、九十二歳でその生涯を閉じた。

いつとなく かへさばやなん かりのみの いつつのいろも かはりゆくなり

 その亡骸は小町を憐れんだ里人により、深草少将が眠る二ツ森に葬られたという。


 そして、物語は続く。



【地元探訪】記事まとめ

言の葉の穴は「神様セカンドライフ」を応援しています

【創作・地元ネタ】まとめ

スポンサーリンク


関連記事

漫画『十文字綺譚 クロス・ストーリー』発売中です!

 『十文字綺譚 クロス・ストーリー』は胡原おみ先生による地域密着型伝奇漫画です。私は原作を担当しまし

記事を読む

【地元探訪】泉光院稲荷(湯沢市古館山)

「神様セカンドライフ」に地元が登場したので居ても立ってもいられず現地に行ってきた  上の記

記事を読む

【地元探訪・小野小町編】長鮮寺跡(湯沢市桑崎字平城)

秋田県湯沢市雄勝町の小野小町伝承  長鮮寺は小野小町を追って京都からやって来た深草

記事を読む

【地元探訪・小野小町編】桐善寺(湯沢市桑崎字平城)

秋田県湯沢市雄勝町の小野小町伝承  小野小町は深草少将が亡くなった後、少将が仮の宿

記事を読む

【地元探訪・小野小町編】姥子石(湯沢市小野字桐木田)

秋田県湯沢市雄勝町の小野小町伝承  姥子石。「ばっこいし」と読む。  小野小町の

記事を読む

【地元探訪】正一位おさんこ稲荷大明神(湯沢市関口聖ケ沢)

 生まれてこのかた何百回何千回と通っている道の脇に、この柱は立っている。  電柱との位置関係はもう

記事を読む

【地元探訪】君は小野小町の生まれ在所を知っているか

コラ、秋田の女ご何どしてきれ(い)だと聞くだけ野暮だんす(アーソレソレ) 小野小町の生まれ在所お前

記事を読む

【地元探訪】お沢稲荷(湯沢市古館山)

 中央公園の階段を上っていった先に、  佐竹南家の門がずどんと現れる。  傍らの

記事を読む

【地元探訪】八幡神社(湯沢市関口) その1

 関口の村社、八幡神社。  地元ではみな「八幡様」と呼んで篤く敬っている神社である。  

記事を読む

【地元探訪】三関フルーツラインの金精様(湯沢市上関)

 関口の阿形の仁王像がある交差点から、下関・上関と続く道がある。  さくらんぼやりんご畑の中をひた

記事を読む

スポンサーリンク

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

スポンサーリンク

「FAN AKITA」のプロジェクトで目標金額を達成しました

小町ゆかりの地「真澄と歩く」出版プロジェクト - FAN AKITA

MQAのソフトウェアデコードって……

MQA Decoding Explained - Audio Stre

LUMINがRoonReadyになったような

 ん?  !?  常時起動の単体Roon Serv

3,000,000PVを達成しました

 言の葉の穴は2017年1月5日をもって3,000,000PV

canarino Fils × JCAT USBカードFEMTO

 canarino Filsの導入当初は、ちょいと思うところがあって、

TIDAL MASTERS with MQA

TIDAL MASTERS TIDAL is deliverin

Roon 1.3のプレビュー

Coming over the hill: the monstrous

言の葉の穴 2016-2017

 「言の葉の穴」読者の皆様、あけましておめでとうございます。  昨年

言の葉の穴 2016年のハイライト 創作・地元ネタ編

 もうすぐ終わるので振り返り。  オーディオだけではないのである。

言の葉の穴 2016年のハイライト オーディオ・ビジュアル編

「言の葉の穴」的2015年のAV関連ニュース10選  独断と

2016年の心残りその2 まだ見ぬOPPO Sonica DAC

OPPO Sonica DAC そして素晴らしいのは、この手の製

2016年の心残りその1 LUMIN、未だRoonReadyならず

RoonReady、ネットワークオーディオ第五の矢  LUM

2015年の心残りは2016年でどうなったのか

2015年の心残りその1 ESOTERIC N-05 紹介記事

【BDレビュー】第341回『帰ってきたヒトラー』

画質:8 音質:8 (評価の詳細についてはこの記事を参

シン・ゴジラのUHD BD

「シン・ゴジラ」が'17年3月22日BD/UHD BD化。初公開映像満

【BDレビュー】第340回『DOOM / ドゥーム』

画質:6.66 音質:13 (評価の詳細についてはこの

そのUHD BDは本当に4Kマスターなのか?

「4Kマスターではない」等のUHD BDについて 日本のアニメのUH

Fidelizer Nimitra Computer Audio Server その2

Fidelizer Nimitra Computer Audio Se

クラウドファンディングサービス「FAN AKITA」でプロジェクトを実施中です

小町ゆかりの地「真澄と歩く」出版プロジェクト - FAN AKITA

canarino Fils 単体サーバー編 その2

その1  懸案だったアナログ電源を手に入れて状況が整ったので

→もっと見る

PAGE TOP ↑