201610280103小野小町史跡

秋田県湯沢市雄勝町の小野小町伝承


 深草少将の弔いの後、小野小町は人々の前から姿を消した。
 とは言っても死んだわけでもなければ行方不明になったわけでもなく、俗世とは縁を切って一人山中に籠ったのである。

 そして、小野小町が死ぬまで籠った場所こそが、「岩屋堂」なのである。
 ちなみに「岩屋洞」と書かれる場合もある。


 岩屋堂に行こうと思えば、とりあえず雄勝の鮎の名店「鮎乃家」を目指せばいい。小野の市街地から雄物川を渡って、直前までは同じ道である。
 対岸から眺めた位置関係は物凄くざっくりとこんな感じ。実際の岩屋堂はもっともっと山中にあるのだが。
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 橋を渡ってすぐに分かれ道。
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 左を行けば岩屋堂、右を行けば鮎乃家。
 岩屋堂の帰りには是非鮎乃家で鮎を食べていこう。
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 しばらく行くと、道が森の中に突撃するようなところに岩屋堂の看板が立っている。
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 なお、まさにこの光景が『クロス・ストーリー』に登場する。
 どんな文脈で登場するかは、買って、読んで、確かめよう!

 終焉は近い。
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 さらにしばらく行くと、「向野寺」の案内看板がある。
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  小野寺跡(伝承)
 西暦八〇七年に小野小町の父親である小野良実が、今日より天台宗の僧を伴い、この地に寺を建立したと言い伝えられています。又、一説ではこのそばに熊野神社があったとも伝えられています。
 これより上流にある岩屋堂で九二才までの生涯を過ごしたと伝えられる小野小町ですが、現在では、この上の平場にある二つの大きな木の切り株と、大小の石碑が歴史を物語る唯一の手がかりとなっています。


 向野寺は小野小町が深草少将の供養のために作った安置したという話が伝わる寺で、今では小野の街中にあるが、かつてはこのように岩屋堂へ向かう道の傍らにあった。
 今では石碑群が静かに佇むだけとなっている。
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 先へ進もう。
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 道中、右を見る。

 ん?
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 道中、また右を見る。

 ん?
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 秋田におけるミヨシ人気恐るべし。

 
 さらに登ると駐車場に辿り着く。
 というわけで、車で来れるのはここまで。
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 駐車場からちょいと降りていった場所に「二つ滝」という場所がある。

 コレが案内看板。
 ちなみに矢印、看板の木が削れているのは「熊の爪痕」らしい。ゾゾゾ。
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  二つ滝(伝承)
男滝と女滝
 向って左側の「男滝」は、小町がこの上流にある岩屋堂に晩年を過ごしているときに、水浴びをしていたと伝えられています。
 この滝で目を洗うと眼病が治るとの言い伝えがあり、近年でも子供の目の病気に悩む人々が多く訪れたとのことです。
 また、右側の「女滝」には、滝の中間に石仏がまつられており、この下流にある小野寺を訪れた修行僧が修験の場としてこの地で鍛錬を積んでいたとの言い伝えが残っています。


 左が「男滝」、右が「女滝」。
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 男滝の様子。小町沐浴の滝。
 ここで世界三大美女の一人が水浴びをしていたのか……
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 女滝の様子。
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 確かに石仏がある。
 仏なのに鳥居もある。
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 ここからは徒歩で上っていく。
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 案内看板によればゆっくり歩いて十分くらいとのことである。
 なお横にある句碑には、

滴りや 小町籠りし 岩屋堂

 とある。
 まぁ、水も滴るなんとやらというもんな。


 小町終焉の地への道のりは続く。

 熊には出会いませんように。


 続く。



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