TVアニメがUHD BDになるとしたら、その第一号は『宝石の国』を推したい。
 2期があるならUHD BDをリリースしてほしい。1期をリマスターするのもいい。
 作品の芸術的価値を最高の形で伝えるという意味で、是非UHD BDでのリリースを検討してもらいたい。


【BDレビュー】第354回『宝石の国』


 3DCGが主体の本作は、2D作画が主体の作品よりも制作解像度の融通は利くだろう。レンダリング負荷という現実的な問題はあるにせよ(実際、ディズニーやピクサーの最新作でさえ4Kマスターではない模様)、HD以上の解像度での制作は不可能ではないはずだ。

 また、UHD BDには解像度以外にも「HDR」という大きな美点がある。
 フォスフォフィライトの薄荷色の髪や合金の腕などの煌めきは、既にHDRを色々と体験した身からすれば少々物足りなさもあった。そして同時に、映像の性格上、HDRになれば「もっともっと瑞々しく鮮烈になる」という確信がある。HDR化による伸び幅はそれこそ『君の名は。』を上回るんじゃなかろうか。

 ちなみに音声については、1期のステレオ音響は十二分に素晴らしいので別にサラウンドでなくても、と思う。無論、サラウンドになるなら大喜びである。

 正直なところ、UHD BDの画質に慣れてしまって、BDを買うモチベーションがかなり下がってしまっている。たとえUHD BDになりそうになく、BDが最後のパッケージになるであろうタイトルであっても。
 そんななか、『宝石の国』は久々にBDを買い揃えようと思えたタイトルだったし、その映像美はきっとUHD BDという器をも満たすに足る。
 1期のBDを全巻揃えてあらためて見直して、2期の制作とUHD BDでのリリースに大きく期待している今日この頃である。



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