【BDレビュー】第102回『ダークナイト』
【AV史に残るBD勝手に10選】第4位『ダークナイト』 ― IMAXが見せ付けたフィルムの神髄
画質:9
音質:15
(評価の詳細についてはこの記事を参照)
映像:HEVC 35mmフィルム/IMAX撮影・4Kリマスター
音声:DTS-HD Master Audio 5.1ch/24bit
○画質
4K/HDRで見るIMAXすげえ……
「強調感皆無」なのに究極的な解像感と情報量が両立するIMAXの画はUHD BDにおいても健在。
BDの時点で凄すぎたのである意味それほどの感動がないというのも事実なのだが、それでも向上は確実に感じられる。銀行に差し込む陽光のリアリティが大いに増している。強盗一派が被るマスクの、BDでは日を浴びて白く飛んでいた部分がUHD BDでは色とディテールが残る。色彩もBD以上に微妙な描き分けがなされ、自然かつ豊潤になった。
HDRは明部の伸びだけでなく、暗部に到る情報量の増大に大きな効果を発揮している。特に本作ではその傾向が強い。デントの護送車列とジョーカー一味が激突するシーン、その冒頭、地上のマジックアワーの光景は恐ろしいほどの透明感と情報量が満ちている。逆に、地下に下りてからのシーンでは、車内を映したカットで黒レベルが持ち上がりすぎているのがちょっと気になったりもした。
とにかくIMAXシーンの画質は近作を含めても群を抜いており、もし全編IMAXが続くのなら文句なしの10点である。やはり、「元が良いからこそ、器の大きさが活きる」。
通常の35mmフィルム撮影の画質も前作からそれなりに進化しており、とにかく画質の底上げが著しい。ちなみにジョーカーを尋問するシーンでは、ダイナミックレンジが広がって階調が緻密になったせいか、BDに比べるとかえって電気を消した状態の闇と点けた時の明るさの差が小さくなったような気もする。このシーンに関して言えば、見た目のインパクトではBD、リアルさではUHD BDといったところか。
○見どころ
IMAXシーンすべて
○音質
音声仕様がドルビーTRUEHD 5.1ch/24bitからDTS-HD Master Audio 5.1ch/24bitに変わった。が、BDの時点でもう良すぎるくらい良かったので、評点に変更はない。15と15☆の差は物凄く大きいのである。
基本的な部分はBDと同じ。
ノーラン作品は最新作の『ダンケルク』も含めてUHD BD化に際してオブジェクトオーディオを採用せず、そのことに対する不満もあろうが、チャンネルベースの時点で最高レベルにあるのだから、それはそれで別に構うまい。
○聴きどころ
全部
○総評
やはりIMAXは凄かった。
BDが出た時は猫も杓子もダークナイトをデモに使いまくったもんだが、さすがに今では他にも山ほど凄いソフトがあるので、かつてほど本作のUHD BDがデモに使われることはないだろう。それでもなお、画質音質にくわえて作品内容のトータルで本作の次元にあるタイトルもそうそうあるまい。
○再生環境(詳細はコチラ)
・ソース
Panasonic DMP-UB90
・映像
LG OLED55B6P
・音響(センターレス6.1.4ch)
Pioneer SC-LX59(AVプリとして使用)
SOULNOTE A-2(フロント)
Nmode X-PW1 ×4(フロント以外の全チャンネル)
Dynaudio Sapphire(フロント)
Dynaudio Audience122(サラウンド)
Dynaudio Audience52(サラウンドバック)
ECLIPSE TD307MK2A ×4(トップフロント・トップリア)
ECLIPSE TD316SWMK2(サブウーファー)
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