【BDレビュー】第283回『JOHN WICK / ジョン・ウィック』


画質:9
音質:15
(評価の詳細についてはこの記事を参照)

映像:HEVC 2.8K撮影・2Kマスター
音声:Dolby Atmos トップスピーカーの活用:大 オブジェクト効果:小


○画質
 BDとしては最上級の画を見せてくれた前作と同じ路線の、切れ味鋭く光と闇が美しい画。器が大きくなったぶんばらつきも目立つようになったが、ピークとなるシーンでは「これが4Kか!」と唸るに足る鮮鋭な画を見せる。2.8K撮影の2Kマスターにもかかわらず、である。実際、制作時のスペックが画質に影を落としているようにはまったく見えない。
 HDRの効果も著しい。夜の古城で行われるレイブではライトの演出が実に印象的で、ダイナミックレンジの拡大の恩恵を露骨かつ如実に感じるシーンと言える。ラスト近辺、鏡と光と映像から成る現代アート空間を舞台とするシーンでは、まばゆい光の乱舞と高輝度領域でも失われない豊かなグラデーションによって、極めて現実的かつ異次元めいた画となっている。

○見どころ
 古城でのレイブ
 美術館


○音質
 前作からあらゆる点で大きなレベルアップを果たし、シューテムアップ映画(個人技)に望み得る最上級の音となった。
 のっけから始まるカーチェイスの時点でのけぞるほどの威力があり、自ずと銃撃戦への期待度も上がった。そして期待は裏切られなかった。
 劇中で発砲されるすべての銃弾は鋭く重く力強く、トップスピーカーを含めた全チャンネルから炸裂する。ジョン・ウィックの戦闘スタイル的にあくまで拳銃が主体ながら、とにかく撃つ量が半端ではないため、銃撃戦では『リベリオン』並の充実感が味わえる。銃声の威力や音のテンションの高さは『男たちの挽歌 II』のレベルにまで達している。
 古城の地下で繰り広げられる銃撃戦で顕著なように、銃声の反響や弾丸を受けて舞い散る壁や天井の音などで、トップスピーカーの活用もおおいに充実している。とはいうものの基本的に銃撃戦――点と線の音響であることにはかわりなく、オブジェクト効果でどうこうなるものではない。
 サブウーファーをがんがん使ったBGMがどこすか鳴り響く中、それを貫いて鼓膜を激しく震わせる鋭利で下品な銃撃戦。これぞシューテムアップ映画である。素晴らしい興奮を提供する本作の音には最大級の賛辞を送りたい。

○聴きどころ
 銃が火を噴くすべてのシーン


○総評
 いいぞもっとやれ。



○再生環境(詳細はコチラ

・ソース
Panasonic DMP-UB90

・映像
LG OLED55B6P

・音響(センターレス6.1.4ch)
Pioneer SC-LX59(AVプリとして使用)
Nmode X-PM7(フロント)
Nmode X-PW1 ×4(フロント以外の全チャンネル)
Dynaudio Sapphire(フロント)
Dynaudio Audience122(サラウンド)
Dynaudio Audience52(サラウンドバック)
ECLIPSE TD307MK2A ×4(トップフロント・トップリア)
ECLIPSE TD316SWMK2(サブウーファー)



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