2015020620


LUMIN T1 & D1 来たる
LUMIN T1 & D1 ハード編
LUMIN T1 & D1 運用編
LUMIN T1 音質編
LUMIN D1 音質編



 ところで、ネットワークオーディオプレーヤーを買う理由とはいったい何だろうか。

 高音質が欲しいから、だろうか?

 それとも、『ネットワークオーディオ』という方法論に魅力を感じたから、だろうか?



 物凄くざっくり言うと、T1はA1の基板そのままに筐体コストを下げたモデルで、D1はT1の筐体デザインそのままに基板コストを下げたモデルである。
 音は両者それなり。
 「上位機種に肉薄する」「クラスを越えた音質」「価格帯を考えれば素晴らしいサウンド」とかなんとか、今後その手の文言が色んな場所で乱れ飛ぶような気がしないでもないが、残念ながら私はそんな甘言を吐けるほど器用ではない。
 LUMINファミリーにあって、音質は順当にA1>T1>D1である。
 価格差は音質差である。
 現実は非情である。


 一方で、T1/D1を含む、LUMINのプレーヤーはすべて同一のユーザビリティを有する。
 ネットワークオーディオというジャンルにおいて巨大な問題であり続ける「ユーザビリティにおける製品間・世代間断絶」は、少なくともLUMINのプレーヤーには存在しない。
 これは『LUMINというプラットフォーム』が確立していることのまたとない証左と言える。

 この点で、私は俄然D1に注目する。
 35万でLUMINのプラットフォームが手に入るのである。
 音? そりゃ35万相当の音はするでしょ。世の中の35万する他のプレーヤーがどんな音なのかは知らないが。

 ちなみにT1/D1ともに、やっぱりL1と組み合わせると著しい音質向上を果たす。
 もはや公式チートである。


 5年ほど前、私はMAJIK DS-Iを買った。
 45万だった。
 音にも満足した。
 上を見れば、300万近いKLIMAXに100万近いAKURATEもあった。
 音の良さは分かり切っていたが、もちろん当時の私に(今もそうだが)そんな資金力はなかった。
 ただ、私がやりたかったのは『ネットワークオーディオ』だった。
 本当に欲しかったのは『ネットワークオーディオの真価を発揮し得るシステム』だった。
 そしてMAJIKも、AKURATEも、KLIMAXも、同一のユーザビリティを有する。
 すなわち、私が真に手に入れたのは『LINN DSというプラットフォーム』だった。


 T1とD1の登場をもって、『LUMINというプラットフォーム』は完成した。
 この意義はとてつもなく大きい。



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