そしてD1。
2015020623


○再生/比較環境

LUMIN A1
LUMIN L1(HDD 2TB)
Nmode X-PM7
Dynaudio Sapphire


 T1、D1ともにケーブル等可能な限りA1と環境を揃えて聴いた。
 アンプとはバランス接続。
 D1をA1と比べても仕方がないので、主にT1との比較が念頭にある。

 例によってLUMINファミリーはプレイリストを共有できるので、音質比較も著しく快適に行える。
2015020626

 とりあえずこんな感じで。
2015021101

 ……

 …

 価格は下がれど高いS/N、「オーディオ的な静寂」は堅持している。
 音調はT1と同じくS1の系譜。
 静けさと清廉さ。
 闇を聴くオーディオ的快楽。

 空間はT1からさらに縮んだ。
 A1からの切り替えた際は「こじんまり」という言葉が脳裏に浮かんだほど。
 音の広がりは遠い記憶の中のMAJIK DS-Iと同程度くらいだろうか?
 奥行方面への展開はそれなりにあるが、困ったことに、声も含めて全体的に音が後ろに引っ込んでしまった感がある。
 ハイエンドならではの卓越した空間表現! ……と言うにはさすがに厳しいか。

 ただ、空間が小型化したのは確かだが、情報量的には不足を感じない。
 まさしく筐体の見た目そのままというか、妙に空間の広大さを追い求めて中抜けするようなことはなく、コンパクトかつ小奇麗にまとめているという印象を受ける。
 「基板を一枚にまとめ、HDMI出力を省略するといった設計のシンプル化が、そのまま音に表れているようだ」……とでも言えばいいのかな?

 全体として、A1とT1の差に比べると、T1とD1の差は不思議とそれほど大きくは感じられなかった。音調が共通だからだろうか。
 オーディオ的な静寂というLUMINの美点をしっかりと備えているのは紛れもない美点である。
 A1/T1には音質的に及ばないとは言っても、少なくとも音楽を聴いていて明らかな不満を感じるようなことはない。

 ちなみに、D1の電源部はS1/A1/T1の豪華なそれと異なり、L1と同じくそっけない電源アダプタである。
 すなわち、D1の音には大きな伸びしろがあるということだ。



○参考

【レビュー】LUMIN A1

LUMIN T1 音質編



【インプレッション】LUMIN T1 & D1