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【UHD BDレビュー】第46回『スパイダーマン:ホームカミング』 英国盤 【Dolby Atmos】




画質:6
音質:7
(評価の詳細についてはこの記事を参照)

映像:HEVC Dolby Vision 2.8K撮影・2Kマスター
音声:Dolby Atmos トップスピーカーの活用:中 オブジェクト効果:小


○画質
 しっとり。
 ひたすらノイズレスでクリーンな画。
 しかし甘い。そして情報量に乏しい。夜のシーンではさらに解像感が弱まり露骨に情報量が落ち、4Kとはいったい……という残念な画になる。スパイダーマンのスーツも『アメイジング・スパイダーマン2』に比べてディテールの低下が著しい。7点を付けようとも思ったがそれすら躊躇われた。
 夜空を飛ぶ光学迷彩輸送機のシーンのように、HDRが威力を発揮するシーンはそれなりにあるが、全体の甘っちょろいイメージを覆すほどの効果はない。Dolby Visionで見たところでどうなるのやら。

○見どころ
 特になし


○音質
 うーむ、しょぼい。
 音数はそれなりにあるし、しっかりサラウンドしているので一応8点を付けているが、映像のスケールに比べて音に力がなさすぎる。
 と、ここまで『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』とおんなじ文面。
 アメスパ2に比べてのパワーダウンが酷すぎる。もうここまでくるとMCUの記念すべき一作目、『アイアンマン』の酷さを思い出すレベル。MCU作品の音は一部の例外を除いて常にしょぼい。アベンジャーズですらしょぼい。MCU作品はDCEU作品に音だけは常に遥かに負けている。
 いや、ボロクソに言ってはいるが冷静に考えれば決して悪いものではないのである。が、昨今の映画の著しい音響効果の充実を考えれば、この程度では到底満足できないと言っているだけなのである。
 トップスピーカーは音楽・頭上に飛ぶ/貼り付く糸をはじめとする効果音・通信音声などで明快な活用がなされている。が、案の定威力がなさすぎる。スーツのお姉さんの声こそトップスピーカーに貼り付けるべきだと思ったが、まったくそんなことはなかった。膨大な音の重なりや激烈な移動感を伴うシーンがそもそも存在しないため(バルチャーでさえあっそふーん程度)、オブジェクトが活きる余地もない。
 たったひとつ、マイケル・キートンの声だけが薄く力のない本作の音の中で存在感を放っていた。それでさえ、もっと厚みと力強さがほしかったが。

○聴きどころ
 マイケル・キートン


○総評
 内容はさておき、画質音質においては過去最もがっかりしたスパイダーマンである。旧三部作&アメスパ二部作はある意味でソニーの威信をかけたかのように盤石の画質音質で魅せてくれたが、本作にはそういった雰囲気が一切感じられない。それを端的に示すものとして、このシリーズは『スパイダーマン2』以降一貫して4Kマスターだったのが、本作では2Kマスターになってしまった。
 制作におけるソニーとマーベルスタジオの主導権争いがAV的なクオリティにまで悪影響を与えた……そんなことは考えたくないが、もしかしたらと思わずにはいられない。
 作品としては面白いだけに、残念。



○再生環境(詳細はコチラ

・ソース
Panasonic DMP-UB90

・映像
LG OLED55B6P

・音響(センターレス6.1.4ch)
Pioneer SC-LX59(AVプリとして使用)
Nmode X-PM7(フロント)
Nmode X-PW1 ×4(フロント以外の全チャンネル)
Dynaudio Sapphire(フロント)
Dynaudio Audience122(サラウンド)
Dynaudio Audience52(サラウンドバック)
ECLIPSE TD307MK2A ×4(トップフロント・トップリア)
ECLIPSE TD316SWMK2(サブウーファー)



【Dolby Atmos/DTS:X】オブジェクトベースシアターへの道・まとめ

【UHD BDレビュー】総まとめ

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