UPnP/DLNAにあって、OpenHomeRoonReadyのプラットフォームにないもの。
 それはひとえに製品層の厚みである。

 RoonReadyはRoonならではの優れたユーザビリティを、AirPlayとは異なり音質を担保したうえで、ネットワークオーディオプレーヤーでも実現することに意味がある。
 そしてユーザーレベルでの一工夫によって価格に関係なく製品層の厚いUPnP/DLNAプレーヤーをそのまま流用可能なOpenHomeとは異なり、RoonReadyはプレーヤー自身が対応していなければどうにもならず、そのうえ、RoonReady対応を表明しているプレーヤーは現状ではいかんせん高額な製品が多く、おいそれと手を出せない。
 RoonReadyの意義を語るにもUPnP/DLNAと比べた際の音質的優位性を語るにも、まずはRoonReadyプレーヤーの製品層が厚くならなければ話にならない。もっとも、仮にRoonReadyというプラットフォームが広まらずとも、Roonの真価にはさして影響があるわけではないが。


 というわけで、RoonReadyプレーヤーとして、exaSound PlayPointを紹介する。
 Playpointは以前からRoonReady対応を表明しており、最近になってRoonReadyに正式対応したようで、公式HPの対応機器一覧にも記載された。
 ただ、先に紹介したIQaudIO Pi-DAC+ / Pi-DigiAMP+Sonore Sonicorbiter SEに比べるとだいぶ高い……というより価格帯が一桁違う。加えて、AURALiC ARIESみたく一番乗りで対応を果たしたわけでもないので、まぁいいかな……とスルーしていた。

 ところがどっこい、某誌によれば国内に導入されるそうだ。
 実装がいつになるのかわからないLUMINやそれなりに時間がかかりそうなSFORZATOに先んじて「正式に国内導入されたRoonReadyプレーヤー」になるかもしれないとすれば、取り上げないわけにもいくまい。


exaSound PlayPoint


 ネットワークでデータを受けて、USBで出力するレンダラー。一応HDMI出力もある。
 とりあえずUSB出力は「USB 2.0 Compatible with exaSound DACs: e20, e12, e22, e28」とのこと。
 PCMは384kHz/32bit、DSDはDSD256まで対応という今時のスペック。
 筐体は同社のDACと同サイズですこぶるコンパクト。
 Sonore Sonicorbiter SEと同様、プレーヤーとして複数の振る舞いが可能で、その中の一つにRoonReadyプレーヤーがあるという寸法。
 AirPlay、MPD、UPnP/OpenHome、HQ Player NAA、そしてRoonReady。これらが一台で使用可能。なんとも多機能な製品である。
 あとはexaSoundが力を入れているマルチチャンネルにも当然のごとく対応。
 ちなみに向こうでのお値段は1999ドル。価格帯的にはAURALiC ARIESと同じクラスの製品と言えるか。
 価格も価格なので、RoonReady云々は一旦置いといて、純粋にネットワークオーディオトランスポートとして機能と音質の両面から評価されるべき製品になるだろう。


 IQaudIO Pi-DAC+ / Pi-DigiAMP+はさておき、AURALiC AriesしかりSonore Sonicorbiter SEしかりこのPlayPointしかり、現時点におけるRoonReadyプレーヤーは“トランスポート”が先行しているようだ。
 RoonReadyのパートナーメーカーはDAC一体型の“プレーヤー”を作っているメーカーも少なくない……むしろそっちの方が多いので、早いとこ“RoonReadyのプレーヤー”も出てきてほしいものだ。トランスポートとプレーヤー、どちらにも美点があるのだから。

 それはそうと、SFORZATOもビシッとパートナーの中に登場している。
 やったぜ国産機。



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