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【UHD BDレビュー】第44回『ドラキュラ』 米国盤 【Dolby Atmos】

公開日: : 最終更新日:2017/11/23 BD・ホームシアター関連, オーディオ・ビジュアル全般




画質:6
音質:8
(評価の詳細についてはこの記事を参照)

映像:HEVC フィルム→4Kマスター
音声:Dolby Atmos トップスピーカーの活用:小 オブジェクト効果:小


○画質
 『未知との遭遇』といい本作といい、Blu-ray.comのレビューはちょっとフィルム撮影の旧作に対する評価が甘すぎやしないか。名作補正が効きすぎ。
 解像感に乏しく終始甘く、クローズアップ時のディテール(特に人物)もいまいち振るわない。
 しかし、フィルムグレイン以外のノイズ感はなく、黒の階調もぎりぎりまで粘る。雑なソフト化にありがちな問題が出ているという印象もない。
 つまり、「もうオリジナルからしてこの通りなんだな」という感じであり、「オリジナルを完璧な状態で収録した」ことに対してであれば、高い評価というのもあり得るかもしれない。
 伯爵の掲げるランプの精妙な輝きや、僅かな光から闇に沈む石造りの古城を隅々まで映し出す様など、HDRもところどころで威力を発揮している。伯爵の真っ赤なマントは実に艶めかしく、登場人物の衣装の細やかな刺繍は輝きとディテールを両立している。近作のように冴えた解像感はないにしても、多くを望まなければ見えるべきものはすべて見える。
 というわけで、ちょいちょいオッと思うところはあれど、UHD BDとしてはかなりつらい。

○見どころ
 衣装のディテール
 赤いマント


○音質
 『プライベート・ライアン』の洗礼を受ける以前の、精緻なマルチチャンネル・サラウンドとはだいぶ異なる音。それでも、時折ものすごく露骨かつシンプルな移動感が演出される程度とはいえ、前方以外のチャンネルが活かされるシーンもある。
 本作の音の主役は完全に音楽とダイアローグというドラマ基調の音作りであり、効果音が跳ね回る活劇仕様ではない。容赦なく打ち付ける音楽の鳴りっぷりは非情に満足のいくもので、ダイアローグは分厚くおどろおどろしく存在感を発揮しており、近作のような激烈な威力とは無縁ながら、音響的な食い足りなさを感じずに済む。
 トップスピーカーの活用はあるにはあり、包囲感の醸成に一役買っていると言えなくもないが、元の音響からして移動感の薄い「ふんわり・どっしり」志向なので、「活躍している」という印象はない。オブジェクト効果も、それが意識されるほど複雑かつ多様な音が散りばめられているわけではないので、なんとも。Dolby Atmosである意味があるかと問われれば、私は沈黙する。

○聴きどころ
 ダイアローグ
 音楽


○総評
 92年という年代を考えてもいささか古臭いながらも重厚な演出で、ゲイリー・オールドマンとアンソニー・ホプキンスの鬼気迫る対決を描いた吸血鬼映画大作。『バンパイアハンターD』とか、後年の吸血鬼映画がオマージュしているシーンも多い。
 画質音質はそれを目的にするには厳しく、UHD BDを買うならむしろ資料としての価値を見出すべきと言えそう。
 それはそうとドラキュラのウィノナ・ライダーよりもエイリアン4のウィノナ・ライダーの方がかわいいと思うのは私だけだろうか?



○再生環境(詳細はコチラ

・ソース
Panasonic DMP-UB90

・映像
LG OLED55B6P

・音響(センターレス6.1.4ch)
Pioneer SC-LX59(AVプリとして使用)
Nmode X-PM7(フロント)
Nmode X-PW1 ×4(フロント以外の全チャンネル)
Dynaudio Sapphire(フロント)
Dynaudio Audience122(サラウンド)
Dynaudio Audience52(サラウンドバック)
ECLIPSE TD307MK2A ×4(トップフロント・トップリア)
ECLIPSE TD316SWMK2(サブウーファー)



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