画質:8
音質:13
(評価の詳細についてはこの記事を参照)
映像:HEVC 35mmフィルム撮影・2Kマスター
音声:Dolby Atmos トップスピーカーの活用:中 オブジェクト効果:小
○画質
熱い!
光量の多いシーンでの切れ味鋭い解像感、クローズアップで匂い立つような銃や衣服のディテールなど、フィルム撮影&2Kマスターという仕様ながら、昨今のデジタル撮影作品と比べてもまったく見劣りしない画質の基礎体力がある。汗の滲む顔に陽を浴びた男どもの暑苦しい煌めきよ!
昨今の作品では珍しくしっかりと粒状感を乗せているが、その粒は非常に細かく、BD時代によく目にしたゴリゴリした質感とはまた異なる、ある種の格調高さを感じるものとなっている。
濃厚な色彩とハイコントラストを基調とし、しかもフィルム撮影ということでいかにも白飛びと黒潰れを起こしそうな画なのだが、上にも下にも階調と情報がしっかりと息づく。強烈に明るくかつ雲の立体感が消し飛んでいない空と、黒ずくめの主人公の衣服の「黒の中の黒の中の黒」が一画面の中に両立する。これぞHDRである。強い日差しの降り注ぐ屋外の光景を映したシーンでは目を見張るような画が拝める一方、暗いシーンになると急激に甘くなる振れ幅の広さも、またHDRらしいといえばらしい。
○見どころ
男くさい顔面
屋外をロングショットで撮ったシーン
○音質
音のしょぼいドンパチ映画など炭酸の抜けたコーラに等しい。そして本作は開栓したてのコーラである。
繊細さよりも豪快さを基調とする音ながら、弾数の多さに比例して音数は大量であり、現代的に緻密な音響構築に手抜かりはない。ダイアローグも音楽も力強く響く。特に音楽はサブウーファーもモリモリ駆使して充実感たっぷりである。
トップスピーカーには音楽・環境音・銃声にくわえ、時としてなぜか馬の嘶きまでしっかりと振られており、情報量の増大に一役買っている。とはいうものの本作のハイライトである銃撃戦において、銃声と着弾はあくまで一瞬で通り過ぎる「点と線」の音響であり、オブジェクトだからどうこうという感覚はない。
完成された音響と言えるが、膨大な音数や緻密なサラウンド感に比べて銃声一発一発の威力は少々控えめ。ドンパチ映画に突き抜けた魅力を与える無遠慮な荒々しさや恐怖を呼び起こす威力まではなく、唯一そこだけが残念ではある。
○聴きどころ
ガトリング
エンディングテーマ
○総評
『荒野の七人』に比べてこちらは随分と物語のテンポが速い。存在や動機に疑問の残るキャラもいる。
が、きっと本作はそういう細かいことを抜きにして楽しむべきなのだろう。
UHD BDはじゅうぶんに高品質である。『荒野の七人』も含めて本作のファンならば買って損はない。
○再生環境(詳細はコチラ)
・ソース
Panasonic DMP-UB90
・映像
LG OLED55B6P
・音響(センターレス6.1.4ch)
Pioneer SC-LX59(AVプリとして使用)
Nmode X-PM7(フロント)
Nmode X-PW1 ×4(フロント以外の全チャンネル)
Dynaudio Sapphire(フロント)
Dynaudio Audience122(サラウンド)
Dynaudio Audience52(サラウンドバック)
ECLIPSE TD307MK2A ×4(トップフロント・トップリア)
ECLIPSE TD316SWMK2(サブウーファー)
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