電源入れっ放し三日目の音質所感速報。

2014123101


○システム

LUMIN A1
LUMIN L1(HDD 2TB)
Nmode X-PM7
Dynaudio Sapphire

 LUMIN A1とX-PM7はバランス接続、Hモード。


○比較対象

BENCHMARK DAC2 HGC(プリとして)
Nmode X-PW10


 X-PM10との比較なら話は早いのだが、プリを噛ませたX-PW10との比較なので少々ややこしい。



○所感

 まず、説明書にも「出ます」と書かれているホワイトノイズについて触れねばなるまい。
 確かに出る。むしろ、電源投入直後から露骨に聴こえる「サー」というノイズは今まで聴いたことのない大きさで、コレはひょっとしてまずいんじゃないかと肝を冷やした。
 X-PW10と比べても遥かに目立つし、FundamentalのLA10が聴かせた「漆黒」とは大違いである。ちなみにLモードにするとどうなるかは試していない。
 で、冷や汗をかきながら音を聴いた。
 X-PW10は繊細さとスピード感が命だったが、逆に言えばそれ以上でもそれ以下でもなかったのだなあ、と。
 鳴る。X-PW10に輪をかけて鳴る。さすがに最初の1、2時間程度は本調子ではなかったようだが、みるみる音に力が出てきた。
 公式が謳う「弾むような低音」は本物だ。それでいて、まったく滲まない。速い。キレッキレである。特にパーカッションの鮮やかな存在感には目を見張る。電源巨大化の効果だろうか、とにかく音全体から感じるエネルギーは激増した。中低音が厚く、弾ける。楽しい。
 鳴りっぷりの変化が大きな効果をもたらす曲がある一方で、そうでもない曲もある。特に、静かで、シンプルで、しっとりとした歌やピアノソロなんかは音の背後にホワイトノイズの気配を感じてしまってちょっと……という場合もある。絶対的な繊細さについては、X-PM7はX-PW10と同等か、ごく僅かに劣る印象。ま、この辺は楽しさとのトレードオフと言うべきか。基本的に、音楽が鳴り始めた途端ホワイトノイズはどうでもよくなる。圧倒的に音楽を聴く楽しさが勝る。

 正直なところ、システムのシンプル化が目的の導入で、そこまで劇的な音の変化を期待していたわけではなかったのだが、これは思わぬ僥倖と言っていい。
 Dynaudioは別として、私は特定のメーカーの製品に対するこだわりのようなものは持っていないつもりだった。「1bitだから」だとか「デジタルアンプだから」だとか、そんなことを気にしたことはただの一度もない。音(とデザインと価格)がすべてだ。しかし、気付いてみれば随分とNmodeのアンプを買っている。X-PW10と組み合わせたAudience122の音の印象がそれだけ強烈だったということだろう。あの雪が融けた瞬間の輝き……
 X-PW10、X-PW1、自分用にではないがX-PM2も買って、どれも音の良さに満足した。聴きもせずにX-PM7の導入を決めるくらいには、私の中で既にNmodeのアンプに対する信頼が出来上がっているようだ。そしてX-PM7は今までのアンプとは少々毛色が違うとはいえ、やはりNmodeらしい繊細さが根底にある。それでいて、弾む低音という新たな音のステージを迎えている。もっとも、ホワイトノイズばかりはもう少しどうにかならなかったのかと思うが。来年度に出るという上位機種にも期待しよう。



Nmode X-PM7 続・音質編(Lモード) ←こっちも読んでね

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