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※この記事はFAN AKITAプロジェクトページ「活動報告」への投稿と同内容です




菅江真澄と歩く
二百年後の勝地臨毫 出羽国雄勝郡

第三章
「彼岸の真白なる静寂」



 真澄は地誌『雪の出羽路 雄勝郡』と絵図集『勝地臨毫 出羽国雄勝郡』のほかにもいくつか雄勝郡に関する記録を残しています。
 なかでも『高松日記』は湯沢市の木地山高原一帯を訪ね歩いた様子が克明に記録されており、地誌として淡泊な記述が支配的な『雪の出羽路』とはうってかわって、真澄の素直な感情が表れています。

 真澄は文化11年(西暦1814年)の晩秋、今日の高松地区を訪れました。



 さて、湯沢市には三途の川があります。









 三途の川の向こう側には、地獄――川原毛地獄があります。







 残念ながら天国はありませんが、歴史ある泥湯温泉で極楽気分は味わえます。







 日本三大霊地の一つに数えられる川原毛地獄という場所の為せる業か、いつもの行脚であれば「真澄と歩く」という心持ちだったのが、今回ばかりは「真澄に成る」という感覚を味わいました。
 絵に描かれた場所が明確で、なおかつ『高松日記』という詳細な記述が残っているおかげで、この章は全十篇の中でも特に真澄を身近に感じられるものに仕上がりました。







 真っ白に焼けた静寂の中で真澄は何を見たのか。



 是非、完成した本の中でお確かめください。