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※この記事はFAN AKITAプロジェクトページ「活動報告」への投稿と同内容です




菅江真澄と歩く
二百年後の勝地臨毫 出羽国雄勝郡

第二章
「妙産の湯、深山に湧く」



 『勝地臨毫 出羽国雄勝郡』の四巻は今日の皆瀬・小安峡の絵図集となっています。
 その中には「小安峡大噴湯」や「不動滝」といった観光名所も描かれているのですが、一見しただけでは場所がわからない絵もありました。

 こちらの三枚の絵をご覧ください。





 絵の題には「橡湯」とあります。



 なんらかの温泉と、そこに至るまでの道を描いた絵だと思われますが、現在の湯沢市には「橡湯」という温泉はありません。
 はて、コレはいったい何だろうと思いましたが、「トチユ」と読むことから、「橡湯」とは「栩湯」のことなのではないか、と思い当たりました。
 そこで「栩湯」で調べてみると、小安の山中の奥深く、今から数十年も前に営業を終えた「栩湯」という名の温泉があったのです。真澄の絵のおかげで、知りもしなかったであろう郷土の温泉が私の前に姿を顕しました。

 そうとわかれば、早速現地に突撃です。
 ほとんどの人の記憶から栩湯の存在が消え去った現在、今でも場所を知る地元の方に案内をお願いし、平成26年の晩秋と27年の春の二度にわたり、栩湯を訪れました。



 絶景に次ぐ絶景、誰一人知るもののいない歴史的発見を経て、深山の懐に足を踏み入れると、そこでは今なお温泉が湧き、かつての湯治場の痕跡がありました。








 そして……





 !?




 いかにして栩湯が「妙産の湯」と呼ばれるに至ったのか。
 


 是非、完成した本の中でお確かめください。