前回の続き。
長い長い石段の果てに現れた関口の村社、八幡神社。
ちょっと見た目がアレなことになっているが、なんとも立派な神社である。
狛犬も立派。
いつぞや例大祭の際に「この神社の御神体は何ですか」と境内に集まっていた地元の方々に聞いたことがある。
ひとしきり「こいつは何を言っているんだ」という顔をされた後で、「そういえばたしか“弓”でねがったべが……」という答えが返って来た。
その通り弓が御神体だとすれば、さすがは八幡、武神である。
境内には石碑等多数。
向かって左奥にはこんな石碑がある。
「ささら舞由来碑」。
「ささら舞」とは関口の伝統芸能で、
八幡神社の例祭に奉納される一人立ち一頭獅子舞である。桓武天王の御代、坂上田村麻呂が悪路王退治に当地にいたるとき、東鳥海山に薬師仏を祀る権現堂を建立し最上左沢(現山形県)で見たという麒麟の像を造り奉納したという。それによって悪路王征伐を成し遂げることができ、祈願達成奉祝の舞として麒麟の頭をつけて舞うこととなったのだと伝えられている。
秋田民俗芸能アーカイブス より
リンク先には動画もあるので是非。
かつて家族の行く末を案じて長きに渡る八幡神社参りを続けた私の曾祖母は、その結果「神降ろし」の力を授かった。
曾祖母は時に神々を、時に死者をその身に宿らせ、人々に言葉を伝えた。多くの人が曾祖母を訪ねたという。それこそ彼女が亡くなった後でも、神降ろしをしてくれる女性がいるという話を聞いてやってきた人が少なからずいたのだそうだ。
あいにく私にそのような才覚は現れていないが、単に顕在化していないというだけで、何かが血の中に流れているのかもしれない。
とっぴんぱらりのぷう。
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