まずはSC-LX85と比べたSC-LX59の音を把握すべく、トップスピーカーから音が出ていないことを確認しながら、ストレートデコードでリファレンスBDを聴く。
SC-LX85の芸達者かつエンタメ路線とは打って変わった、硬質かつすっきりした音。これがSC-LX59の第一印象。
効果音や劇伴の膨らみが抑えられた結果解像感は向上し、空間の見通しも良くなった。一方でSC-LX85が得意とした厚みや力感といったものは減退し、あくまで冷静かつ克明な音響を描くようになったようだ。その昔使っていたSony TA-DA3200ESの音をなんとなく思い出す。これはこれで良い。
ともすれば淡々としてそっけないだけの音にもなりそうだが、そこんところはサブウーファーのおかげで踏ん張りと外連味が利いている。やはりアトモス云々の前にサブウーファーを導入して正解だった。
というわけで、Dolby Atmosを聴く。
DTS:Xは今月下旬にアップデートらしいのでまだ聴けない。
記念すべき初の家庭版アトモスは、かねてからの予定通り『アメリカン・スナイパー』。
……
…
あまり変わらんぞ。
【BDレビュー】ではドルビーTRUEHD 7.1chで音質評価12+αを付けたが、アトモス分のプラスアルファをしたところで13にはならないレベル。
たしかに、頭上をヘリコプターが飛んでいくとか猛烈な砂嵐が吹き荒れるとか、ドルビーTRUEHD 7.1chの時よりも高い空間性を感じられるシーンもあった。とはいえ、ある意味そのような変化は想定内過ぎるうえに、アトモスすげー! などと騒ぎ立てるほどの新鮮な驚きがあるわけでもない。元が良すぎたのか?
結局、AVアンプのスピーカー設定やら何やらを繰り返し調整しつつ視聴を重ねても、「うーん、まぁ、効いてはいるかな……」程度の印象からは抜け出せなかった。
2年ほど前、はじめて家庭用アトモスを聴いた時の「え、こんなもん?」といういや~な記憶が蘇る。もう天井に板まで貼り付けちまったと言うのに。
はてさて……
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Pioneer SC-LX59でDolby Atmosを聴く
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