画質:8
音質:8
映像:AVC
音声:リニアPCM 5.1ch 16bit
○画質
さすがに劇場版と言ったところか、映像全体の情報量は間違いなく増大している。そして冒頭に入る各社の映像ロゴの解像度がまったく足りていないあたりに時代を感じる。
画面の揺れ・ゴミは僅かだがそのまま残されている。何もかもレストアしてしまうよりは「そのまま」を収録することを優先したのだろう。幸いにしてそれらが鑑賞の妨げになることはない。
プロダクションIG制作のアニメらしい、光の柔らかさを感じるしっとりとした質感が支配的。そのためにテレビシリーズのダイレクト感はかなり薄まった。解像感だけを考えれば、テレビシリーズよりも劣っている場面も散見される。画の方向性の違いだろう。
圧縮に関わる技術的な問題は見られない。補完発動以降、闇の中に微細な光が大量に乱舞しても、画面は清廉さを完璧に維持できている。
気合いの入ったアニメ作品がBD化される時、往々にして「こんなに描き込んでいたのか!」という驚きと喜びを感じるわけだが、本作もその例に漏れない。従来の映像メディアでは埋もれてしまっていた数々のディテール、文字情報が溢れ出し、多くのの発見がある。高画質化によりさらなる映像鑑賞の楽しさが生まれる理想的な例と言える。
○見どころ
逆さまの木
補完
○音質
残念なことに、音響のナローレンジぶりはテレビシリーズからほとんど変わっていない。サラウンドの活用も同様。弐号機覚醒シーンも展開の割にそれほど音は盛り上がらず、THANATOS-IF I CAN’T BE YOURS-はあまりサラウンドさせる気もないようだ。Komm, susser Todにしろ何にしろ、全体的に力に欠ける。最初からそういう意図で音作りがなされているいるなら仕方のない話だが、少々不満が残る。もちろん、DVDと比べれば明瞭度から低音の力感から大幅に向上していることも確かではある。
声についてはテレビシリーズのように突出した感じはなくなり、音に一体感が出ている。そして、声を音響効果として使う技巧はますます磨きがかかっている。
ちなみに全編通じて最も音に力があるのはネルフ本部襲撃のシーン、それも発令所の上部が銃撃を受けるシーンだったりする。
○聴きどころ
本部襲撃~偽りの、再生
○総評
エヴァの世界観でより近代的な映像音響を聴きたければ新劇場版を見ればいい。
好きな作品をもっと面白くする。
かつての思い出をさらに輝かせる。
これだからオーディオ趣味はやめられない。
良い。すべてはこれで良い。
○再生環境(詳細はコチラ)
・ソース
OPPO BDP-103
・映像
Victor DLA-X30
KIKUCHI SE-100HDC
・音響(センターレス6.0ch)
Pioneer SC-LX85
Nmode X-PM7
Nmode X-PW1 ×3(サラウンドにモノラル×2、サラウンドバックにステレオ×1)
Dynaudio Sapphire
Dynaudio Audience122
Dynaudio Audience52
Blu-ray BOXの中身
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