画質:7
音質:8
映像:AVC
音声:リニアPCM 5.1ch 16bit
○画質
オープニングが始まった瞬間、「買った甲斐があった」と確信する。
揺れ、ノイズ、ゴミ、傷、決してないわけではない。というより、普通に残っている。さすがにテレビシリーズ全話に対してジブリ作品のBD化のごとき執念をかけられたわけではないらしい。
ただし、何物にも代えがたいダイレクト感が全編を貫く。DVDとの差は歴然であり、画のディテール、特に文字情報がかつてない迫真さで浮かび上がる。見える。読める。画面の揺れ、暗部撮影時のノイズ、入り込んだ埃まで含めて、本当に「作られたものそのまんま」を覗き込んでいるという感覚を味わえる。アナログ製作ゆえの粒状感も鑑賞の邪魔にはならず、きちんと質感として機能している。
「製作由来」の諸々の問題をあるがままに見通せるので、これはこれで資料的価値があると言うべきか。
純粋な画質的には90年代のテレビシリーズという大枠から逸脱するものではないが、BD化を待った甲斐は大いにあった。
なお、16話の画質は著しく劣化している。
マスターに何かあったな。
仕方あるまい。
○見どころ
執念を込められたありとあらゆるディテール
○音質
オープニングが始まった瞬間、「買った甲斐があった」と確信する。
サウンドはDVD(サラウンド版)を基本としているようだが、非圧縮で収録された効果は大きく、残酷な天使のテーゼの聴こえ方もまるで違う。しかしテレビシリーズゆえの限界か、音のナローレンジさはいかんともしがたい。本当はもっともっと盛り上がってほしいシーンで、劇伴・効果音ともに頭打ち感が激しい。それでもDVDに比べるとだいぶ良く鳴ってはいる。
要所要所ではしっかりサラウンドしているし、基本となるステレオの表現もしっかりしている。特に声の使い方の巧みさは新劇場版に繋がる。さすがに新劇場版ほどの卓抜した定位感と明瞭度まではないが、四方八方から声を浴びせられる経験はテレビシリーズにおいてもじゅうぶん味わえる。
声そのものは超がつくほどよく通り、やかましい一歩手前の存在感を放っている。エヴァの音の主役は、やはり声のようだ。
○聴きどころ
声
瞬間、心、重ねて
○総評
良い意味で期待を裏切ることもないが、おおむね期待通りのBD化。不満はない。少なくともDVDとは別物である。
BOX自体もシンプルにまとまっていて好印象。
それにしても、私も随分と年を取ってしまった……
○再生環境(詳細はコチラ)
・ソース
OPPO BDP-103
・映像
Victor DLA-X30
KIKUCHI SE-100HDC
・音響(センターレス6.0ch)
Pioneer SC-LX85
Nmode X-PM7
Nmode X-PW1 ×3(サラウンドにモノラル×2、サラウンドバックにステレオ×1)
Dynaudio Sapphire
Dynaudio Audience122
Dynaudio Audience52
Blu-ray BOXの中身
【BDレビュー】第292回『新世紀エヴァンゲリオン 劇場版 Air/まごころを、君に』
【BDレビュー】総まとめ
【BDレビュー】第291回『新世紀エヴァンゲリオン TVシリーズ』
スポンサーリンク