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【レビュー】Aurender N10 音質編

外観・導入編

運用編




 Aurender Conductorは良く出来たアプリである。
 他のサーバーソフトとは一味違ったブラウズの作法さえ把握してしまえば、「快適な音楽再生」がいともたやすく実現する。



・再生環境詳細

Aurender N10

OPPO Sonica DAC

Nmode X-PM7
Dynaudio Sapphire



・聴いた曲

いつもの



・音質所感

 メリハリのきいた音。
 全音域でビシッと制動が効いており、余計な膨らみや滲みは皆無。それでいて音場はストレスなく展開し、響きもしっかりと描き出すため、情報量に乏しく空間が薄くなるなんてことにはならない。

 そして全体的に明るく、陽性の音と言える。
 全音域に渡ってある種のハリがあって、超然として透徹を貫くよりも機器の存在を感じさせ、積極的に働きかけてくる類の聴かせ方をする。その意味での色はある。
 これらのおかげで、基本的に歌を聴くのが楽しいプレーヤーという印象を持った。「サラ・オレイン / SARAH Premium Collection / シャイン!」あたりは清々しさと溌剌さの両立した文句なしの歌声が聴ける。

 情報量と解像感は値段相応に高く、微小な音もしっかりと掘り起こしている。
 canarino Fils(いつも噛ませ犬にしてすまない、しかし相手が悪い)から繋ぎかえた瞬間にオオッと思えるだけの基礎性能の高さはある。なければ困るが。ただ、そこまでオーディオ的な高性能を意識させる音ではない。

 空間は左右・前後の広がりに優れ、特に奥行きの表現に秀でているようだ。
 「KOKIA / I Found You / I Found the Love」のコーラスがさざ波のように押し寄せる感覚や、「Adele / Skyfall」の強烈な奥行きのイメージは見事。
 音場展開の左右の両翼部分、意識の端に位置する音の解像力も良く、面白いように音がほぐれる。「Yes / Fragile / Roundabout」なんかで顕著である。結果、労せずとも聴覚が音を拾える→受け取れる情報量が多い。

 重厚な筐体から受けるイメージのとおりというかなんというか、非常に安定感とエネルギー感のある中低域で、何を聞いても腰高な印象を受けることがない。「D’Angelo / Voodoo / Untitled(How Does It Feel)」なんかは切れ味・重さ・黒さがしっかり出ていて実によろしい。ともすれば線が細くなりがちな「Tingvall Trio / Beat / Pa Andra Sidan」においても、ドラムの連打は力強く存在感をもって跳ね回ってくれた。

 なお、懸念していた「HDDの駆動音」は、音楽再生時には至近距離で耳をそばだてても聴こえないレベルで無音となる。「240GBの容量を有する内蔵SSDをキャッシュとして利用することで,音楽再生中の内蔵HDD(4TB)の動作を最小限度とし,徹底した省電力動作を実現」という売り文句は伊達ではない。
 HDDの駆動音にアレルギー反応を示す私のようなユーザーもこれなら安心である。


 さて、Aurender N10はミュージックサーバー――「ストレージ内蔵ネットワークオーディオトランスポート」であり、その製品価値は単純に音質だけで推し量れるものではない。
 その点、本機は高度なライブラリ機能と優れたコントロールアプリを用意しており、ユーザビリティの完成度に不安はない。ミュージックサーバーを作り続け、磨き込んできただけのことはある。何から何まで、「あぁ、わかってるなあ」と感心することしきりである。少なくとも、Aurender沼に浸かることを選択したユーザーに後悔の念を抱かせるような低いレベルでは決してない。

 機能と価格帯を考えれば、直接的な競合になるのはDELA N1ZSかfidata HFAS1-XS20だろう。が、この辺のクラスになると極端な話「全部いい」ので、上下を論ずる意味はあまりなくなる。機能面で考えても、DELAもfidataも高いだけの代物ではなく、OpenHome対応により「まともな音楽再生機器」という最も重要なハードルはクリアしている。
 そのうえで本機の美点を挙げるとすれば、DELAとfidataの製品は後付けで「プレーヤー」の機能を得て「ミュージックサーバー」としての性格を持ったのに対し、本機は「生まれながらのミュージックサーバー」であり、専用アプリが用意されていることも含め、トータルのユーザビリティでは一日の長がある……ということになるだろう。

 今回組み合わせたUSB DACはOPPO Sonica DACで、本来であればもっと高額なUSB DACと繋げる製品なのだろうが、Sonica DACの音に対する相対的不満を軽々と吹っ飛ばすあたり、本機のネットワークオーディオトランスポートとしての実力も大いに感じられた。


 総じて、(長きに渡って一方的にAurenderに抱いてきた)期待に違わぬ全方位的な完成度の高さを実感した。

 Aurender製品を導入すれば、その時点で「DAC以前」は終わる。
 「これ以上気にしなくていい」、なんと素晴らしいことか。



【レビュー】Aurender N100H


【音源管理の精髄】 目次 【ネットワークオーディオTips】

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