BDマッドマックス

画質:13
音質:13


映像:AVC
音声:Dolby Atmos


○画質
 全体的な傾向としてはポストHD時代の高解像な画。
 そして最近ではめっきり見なくなった、ポストエフェクトとしての粒状感が付加されている。おかげで、ただでさえみなぎる情報量にさらなる感覚的なブーストがかかり、全編通じて異様な高揚感が漂う。夜や闇の中にあっても解像感は落ちず、常時焼け付くような切れ味が維持される。粒状感が付加されるとは言っても、一昔前の、例えば『300』のように露骨かつ過激な粒状感ではなく、もっと繊細なもの。そのため、夜の闇や砂漠を覆う青空がノイジーに転ぶことはない。
 強靭なコントラストが全編を貫き、特に明方向のダイナミックレンジが広い。太陽の照り付ける砂漠、錆と煤に塗れた金属の光沢、迸る爆炎と火花。あらゆるものがダイナミックレンジの不足に伴う諧調の破綻をきたすことなく、迫真のディテールを見せ付ける。
 ちなみに映画館では気付かなかったが、明らかにそもそもの解像度が落ちるカットが1つ(もしくは2つ)あった。撮影した素材を失くしたか何かなのだろうか。

○見どころ
 鉄と血と火


○音質
 Dolby Atmosの再生環境がないため、コンパチのドルビーTRUEHD 7.1chで視聴。
 もともとDolby Atmos上映の劇場で見たが、あまりその効果を感じられなかった作品ではある。本質的な音響の良し悪しはDolby Atmos云々とは関係ない。良いものは良いのである。
 本作の音は良い。すこぶる良い。おおよそアクション映画に求められる音響要素のすべてが詰まっている。
 容赦のない殴打、銃撃、爆発、そして血沸き肉踊る劇伴。7.1chを存分に活用して音が跳ね回る。申し分のない迫力が持続し、映像の力と相まって息をするのを忘れてしまう。アトモス再生ではこの怒号に加えて精密さが加わるということか。既に十分な気もするが。
 映像同様、本作の音も非常にメリハリの付いた、ダイナミックレンジの広いものだ。何でもかんでも「でかい音」にするのではなく、作中における音の振幅が非常に大きい。ダイアローグなどは少々音量が小さいとさえ思えるほどだが、銃撃や爆発など、本来大きくあるべき音はその通りの威力を軽々と吐き出す。登場人物の声の中でマックスのそれだけ妙な存在感と重みを持っているのも、狙ってやったことなのだろう。

【追記】
 Pioneer SC-LX59とECLIPSE TD307MK2Aの導入に伴いDolby Atmosで聴いた。
 参照:Dolby Atmosのソフトを片っ端から聴く

○聴きどころ
 エンジンが唸るあらゆる場面
 ドーフ・ワゴン


○総評
 UHD BD対応機が発表され、いよいよBDは最末期となった。
 そんなBDの有終の美を飾るに相応しい花道……もとい、怒りのデス・ロード。画も音も最高の盛り上がりで魅せる。
 みんなで買ってLet’s Go Insane.


○再生環境(詳細はコチラ

・ソース
Panasonic DMP-UB90

・映像
Victor DLA-X30
KIKUCHI SE-100HDC

・音響(センターレス6.1.4ch)
Pioneer SC-LX59
Nmode X-PM7
Nmode X-PW1 ×3(サラウンドにモノラル×2、サラウンドバックにステレオ×1)
Dynaudio Sapphire(フロント)
Dynaudio Audience122(サラウンド)
Dynaudio Audience52(サラウンドバック)
ECLIPSE TD307MK2A ×4(トップフロント・トップリア)
ECLIPSE TD316SWMK2



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