既に地元ではない気もするが別に構うまい。


 というわけでひと月ほど前、別件で下北半島に行った帰りに、アオのふるさと:鬼越蒼前神社に行ってきたのである。



「神様セカンドライフ」がとんでもなく面白い

神様セカンドライフ・キャラクター紹介


 想像以上に立派な神社だった。



 入り口付近にはあれやこれやと案内板。





 鳥居を抜けて……



 参道の左側には馬。



 そして絵馬。


 立派な本殿。





 そのほか境内には月読神社や、






 御神木や、



 慰霊碑や、


 土俵まであった。


 境内のパノラマ写真(クリック推奨)


 この神社の前の道をチャグチャグ馬コが行く。



 普通に町中(住宅街かな?)にある神社である。広い駐車場完備。




 さて、「蒼前」は東北で信仰された「馬の神」とのことなのだが、白状すると、私は神様セカンドライフに出会うまで「蒼前」なる神を知らなかった。
 湯沢市にだって馬頭観音やら「鞍掛神社」やら、「馬」を祀る/守護する寺社は色々とある一方で、「蒼前」という名前は聞いたことがなかったのである。

 私の知る「馬」にまつわる信仰とは別の何かとして、「蒼前信仰」があるのだろうか?

 ……とも思ったが、実際に蒼前神社を訪れたところ、必ずしもそういうわけではないようだった。


 以下の写真は参道右側に置かれた石碑である。





 なるほど。

 こういう石碑が境内にあるということは、蒼前も「駒形」の遥かな系譜の中で捉えてもよいということだろう。



 「駒形」といえば、秋田・岩手・宮城三県の県境に位置する「栗駒山」も、かつて「駒形山」と呼ばれていた。
 栗駒山の神社は「駒形根神社」であり、山頂に嶽宮、宮城県栗原市に里宮がある。

 そして「御室」と呼ばれる絶壁の懐に、駒形根神社の奥宮がある。







 馬である。


 駒ヶ岳や駒形山に座す「駒形神」は「駒」というだけあって馬の守護神であり、やがて同じく「馬」の名を持つ馬頭観音や、はては大日如来とも習合していったそうだ。
 かくいう栗駒山も、「大日嶽」という異名がある。須川高原温泉には「大日岩」という巨岩もある。駒形根神社の祭神筆頭は大日孁尊/天照大御神である。

 「蒼前」を駒形神の流れの中で捉えることが可能なら、大日如来/大日孁尊と習合しているだけでなく、かつては日々の暮らしと農耕に欠かせない馬を通じて人々と密接に関わっていたのだから、その信仰と威光はどれほどのものだっただろう。
 もし「全盛期の蒼前」なんてものがあるとすれば、地元で有名な豪傑神なんて鼻息ひとつで吹き飛ばす偉力を示したのではなかろうか。



 ただ、それも今は昔。



 信じて送り出した分御霊が田舎神の素行にドハマリして半裸スパッツになるなんて…



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