外観・導入編
DSP-Doradoは意外と(?)多機能なネットワークオーディオプレーヤーである。
本懐であるDLNA/OpenHome対応の「プレーヤー」機能にくわえ、Roon Ready対応(まだベータだけど)、オプションでUSB入力も持つ。
その辺の入力切替やら本体設定を行うにあたって、ブラウザでも設定できるほか、実はiOSのアプリが用意されている。せっかくなので今回はそれを使う。android版はまだないようだ。
こんな感じで設定項目がある。
とりあえず気にすべきは「Interface support」「Player support」「Default display」の三つか。
まずは簡単な「Default display」から。
表示する情報を色々と選べるが、まぁ……私はオフにするかな……
続いて「Player support」。本機にとっていちばん大切な部分。
DSP-Doradoを「プレーヤー」として機能させるためには、当然ながら上の「Interface support」で「Ethernet」を選んでおく必要がある。USBについては後述。
動作モードは「MLPlayer」がDLNA、「Kinsky」がOpenHome。両方という選択肢もあるようだ。アプリの名前じゃなくてプラットフォームの名前にすればいいのにと思わなくもないが、動作検証済みのアプリやら何やらの問題で難しいんだろうか。
やったぜ。
ついにネットワークでDSD256を再生できるという喜び。
まぁ、「再生できた」ことに満足して次の瞬間にはどうでもよくなるのだが。
続いてRoon Readyプレーヤーとしての挙動について。
何もせずとも「プレーヤー」と「Roon Readyプレーヤー」を併用できるLUMINのプレーヤーとは異なり、SFORZATOのプレーヤーは明示的に動作モードを選択する必要がある。
「音質のために可能な限り余計なものを走らせない」という設計思想とのことなので、利便性は損なわれるが致し方なし。
DLNA/OpenHome選択時はこの通り、RoonのZoneに現れない。
「Player support」でRoonにすると選べる。まだUncertifiedだけど。
Roon Readyプレーヤーとしての使用はところどころに得も言われぬ不安定さを感じるが、大きな問題はない。Uncertifiedだし仕方ないね。
ちなみにRoon Readyプレーヤーとして正式に認証されるとシグナルパスでの表示がなんか豪華になる。下はLUMINの例。
続いてUSB DACとしての挙動について。
DSP-DoradoのUSBレシーバーやドライバはインターフェース株式会社のものを採用している。よって、こういう具合になる。
さて。
!?
USB DACとして使用時、RoonのシグナルパスではPCM 768kHz/32bitを再生できていることになっているが、音は出なかった。
DSP-DoradoのPCM 768kHz/32bitやDSD512対応は明記されていない。しかし、搭載しているES9038PROの仕様的には再生できてもまったくおかしくはないので、まぁそういうことなのだろう。RoonでSRCをいじっていたらしょっちゅう接続が切れたけど。
ネットワーク入力でどうなるのかについては、Roon Readyに正式対応した際に機会があればあらためて検証してみたい。
なお、「Interface support」や「Player support」を切り替える際、本体が再起動するため、ちょっとストレス。
SFORZATOアプリは立ち上げの際にいちいちプレーヤーの認識に時間がかかるため、ちょっとストレス。
そしてプレーヤー使用時・USB DAC使用時ともに、入力されるサンプルレートが変わるとカチッと音が鳴り、曲が始まるまでちょっとしたタイムラグがある。
全体的に我慢できないほどではないが。
それでは最後に、お待ちかねの「プレーヤー」機能テストである。
操作へのレスポンス:○
シーク:△(※)
スキップ:○
ギャップレス再生:○
音源のスペック表示:○
オンデバイス・プレイリスト:○
コントロールアプリ終了時の再生継続・プレイリストの同期ともに可
※fidata HFAS1-XS20(中身はTwonky Server)と組み合わせた際、シークがうまく機能しなかった。
あと、Asset UPnP(R6)との組み合わせではそもそも再生できなかった。
MinimServerでは問題なし。
DSP-Doradoはガチのネットワークオーディオプレーヤーなので、レスポンスの検証もガチで行った。
CDフォーマットのアルバムを全曲プレイリストに登録して再生
↓
音が鳴る
↓
止める(音が止まるのを確認)
↓
プレイリストをクリア(クリアされたのを確認)
↓
192kHz/24bitのアルバムを全曲プレイリストに登録して再生
↓
音が鳴る
↓
プレイリスト内の3曲目を再生(音が鳴るのを確認)
↓
止める(音が止まるのを確認)
↓
5曲目を再生(音が鳴るのを確認)
↓
止める(音が止まるのを確認)
↓
プレイリストをクリア(クリアされたのを確認)
という、日々の音楽再生を想定した操作を3セット行い、完走に要する時間を計測した。
コントロールアプリにはiPad Pro(2017)で走らせるLUMIN App、サーバーソフトにはcanarino Filsで走らせるMinimServerを使用した。
DSP-Doradoの結果:
1回目:39.00秒
2回目:29.24秒
3回目:28.97秒
参考記録・LUMIN A1
1回目:29.57秒
2回目:26.65秒
3回目:24.68秒
参考記録・fidata HFAS1-XS20(DSP-DoradoとUSB接続)
1回目:17.53秒
2回目:16.75秒
3回目:17.88秒
悪くない! (というよりfidataはええ……)
いつぞやSFORZATOのプレーヤーがOpenHomeに対応したタイミングで借りたDSP-01の挙動は正直ぶっ飛ばしたくなったもんだが、これならじゅうぶん許容範囲だ。
国産ネットワークオーディオプレーヤーの麒麟児もついにここまで来たのかと、勝手な感動を禁じ得ない。
音質編に続く。
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