時に、西暦2017年。



 秋田の片田舎に、重厚な金属製のケースが届けられた。







 硬化ベークライトに封印された胎児的なアレが出てくるのかと思いきや……



 !?




 出てきたのはLANケーブル、Wireworld Platinum Starlightだった。



 Wireworldの主宰デヴィッド・ザルツ氏のサイン付き。
 やはり高いケーブルは違うな……




 税別11万5千円(1m)というプライスタグは、我が家にやってきたケーブルでぶっちぎりの歴代一位である。エヴァの旧世紀版と新劇場版を全部買ってもお釣りがくるし、OPPO Sonica DACよりも高いという、なんとも凄い(そして私には基本的に縁のない)ケーブルである。




 「水」って名前が付いてるくせにやたら硬いケーブルプラグメーカー自身が手掛けたケーブルとは異なり、ハイエンドなオーディオ用LANケーブルとしては相対的にしなやかである。無闇に硬いケーブルはプラグとケーブルの双方にストレスがかかるだけなので、このしなやかさは素晴らしい。




 で、音。



 …………



 ……



 いいに決まってんだろそんなもん。



 なんだそれふざけんなという人は、NetAudio vol.27を買って、読もう!



 ……



 …………という冗談はさておき。

 Telegärtner MFP8 Goldのように積極的に音を作る方向ではなく、audioquest Vodkaと同様の自然路線である。
 それでいて価格なりの差ということで情報量はVodkaよりも間違いなく豊富で、色彩感も強い。
 この色彩感は作為や演出の結果ではなく、情報を極限まで引き出したからこそ得られる、音源本来が持つものだと言える。

 高いものには高いだけの理由がある。
 そして良いものは良い。



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