前日:天明4年10月6日/平成30年11月18日


天明4年10月7日(新暦換算:11月19日)

秋田県由利本荘市鳥海町伏見




 七日。今日も霙が降り、舟が出ないなどと言い合っていると、雪が激しく降ってきて、往来が絶えるほどひどい天気になった。

けふも又 おなしやとりに 呉竹の 伏見の鄕に ふたよ明なん。


 234年前の今日、鳥海町伏見に滞在する真澄のもとに、とうとう雪が降ってきた。
 「今日」と真澄は書いているので、みぞれは昨日から降っていたようだ。

 今年(平成30年)は猛暑に引き続き暖冬と言われており、初雪はまだ降っていない。
 ここ最近で初雪が早かった年は平成25年で、11月11日の日中から降り出し、



 夕方にはこの有様。




 参考として、平成30年の湯沢市の天気はこんな感じである。

 遅かれ早かれ、11月中には間違いなく雪が降る。
 というわけで、真澄が初雪に遭遇した旧暦10月7日/新暦11月19日という時期は別に早くも遅くもない。


 真澄は昨年の冬を長野県塩尻市で過ごしている。塩尻市も冬はそれなりに寒いが、あまり雪は降らないようだ。
 だからこそ、真澄は、初めて見る北国の――秋田の雪に驚愕したに違いない。

 「たいへんなところにきてしまった」と。



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●『齶田濃刈寢』本文・参考文献

『秋田叢書 別集 第4』 秋田叢書刊行会, 1932
『菅江真澄遊覧記1』 内田武志・宮本常一編訳, 東洋文庫, 1965

記事中の【見出し】は『秋田叢書』にあるものをそのまま使っている



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翌日:天明4年10月8日/平成30年11月20日



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『菅江真澄と歩く 二百年後の勝地臨毫 出羽国雄勝郡』
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