前日:天明4年10月7日/平成30年11月19日


天明4年10月8日(新暦換算:11月20日)

秋田県由利本荘市鳥海町伏見




 八日。昨日より雪がやむことなく降り続け、積もった雪は藁家の軒の高さと同じほどになり、竹林などは、岡のように伏し隠れたので、

みとりなる いろこそ見へね おしなへて 雪にふしみの 里のたかむら。



 平成30年11月20日、まだ雪は降っていない。

 「初雪が大雪」と言われた平成25年の、初雪の翌朝――11月12日の朝の光景はこんな感じだった。


 昨晩から一日かけて「軒の高さと同じ」に積もったというのは、そもそも今の家よりも軒の位置が低かったとしても、初雪であることを考えればかなりの降り方である。

 やっぱり、真澄は「やべえところにきてしまった……」と思ったに違いない。



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●『齶田濃刈寢』本文・参考文献

『秋田叢書 別集 第4』 秋田叢書刊行会, 1932
『菅江真澄遊覧記1』 内田武志・宮本常一編訳, 東洋文庫, 1965

記事中の【見出し】は『秋田叢書』にあるものをそのまま使っている



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翌日:天明4年10月9日/平成30年11月21日



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