同時にUHD BDが出ている作品のBDを評価するのはいささか心苦しいのだが、まぁ。


画質:13
音質:13
(評価の詳細についてはこの記事を参照)

映像:AVC 3.4K/6.5K撮影・4Kマスター
音声:Dolby Atmos トップスピーカーの活用:大 オブジェクト効果:大


○画質
 見事。
 きりりとシャープ、情報量豊か、暗いとちょい荒れるシーンもあるけれど、全体的に極めて高水準の画が続く。
 俳優のクローズアップもさることながら、様々な小道具、特に「鎧」の描写が素晴らしく、長城の上を色とりどりの鎧に身を包んだ大軍が行き交う様は情報量の洪水である。地の果てより雲霞の如く襲い掛かるトウテツ(本作においては頭部に饕餮文らしき複雑な意匠を持つ四足歩行の怪物)と激突する最中でも終始画面は清廉さを保ち、スモークが多用されるシーンでも夜闇が多用されるシーンでも解像感は高止まりしている。
 先述の鎧をはじめとして鮮やかな色彩表現が随所に見られ、特に都の煌びやかな様はHDRでさらなる輝きを放つものと思われる。
 UHD BDで見直したくなる画だった。

○見どころ
 鎧


○音質
 気取らず、出し惜しみせず、とにかく映像だけでなく音でも楽しませようという意図をふんだんに感じる音。
 大地を震わせてやってくるトウテツの群れに膨大な数の弓矢・投石が繰り出される合戦シーンは音数・威力ともに期待を裏切らないスペクタクルを提供する。豪快に鳴る音楽も素晴らしい。
 トップスピーカーは効果音と音楽の両方でフル活用されている。終盤の「地下から頭上を見上げるシーン」では、『アメイジング・スパイダーマン2』の空から降り注ぐグリーンゴブリンの狂笑をも越える強烈な威力と存在感が頭上から放たれる。これはいい。
 巨大なスケール感だけでなく細やかな音の積み重ねや移動も精緻に表現されており、オブジェクトオーディオの甲斐もあって戦闘の怒号はぐるんぐるんと切れ目なく空間を駆け巡る。
 血沸き肉踊る素晴らしい音だ。

○聴きどころ
 戦闘シーン全般


○総評
 頭を空にすれば、細かいことは抜きにして大いに目と耳を喜ばせるに足る娯楽映画だと思う。逆にあれこれ言い出すときりがない。
 AV的なクオリティは非常に素晴らしいので、UHD BDにも大いに期待できる。



○再生環境(詳細はコチラ

・ソース
Panasonic DMP-UB90

・映像
Victor DLA-X30

・音響(センターレス6.1.4ch)
Pioneer SC-LX59(AVプリとして使用)
Nmode X-PM7(フロント)
Nmode X-PW1 ×4(フロント以外の全チャンネル)
Dynaudio Sapphire(フロント)
Dynaudio Audience122(サラウンド)
Dynaudio Audience52(サラウンドバック)
ECLIPSE TD307MK2A ×4(トップフロント・トップリア)
ECLIPSE TD316SWMK2(サブウーファー)



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