【レビュー】SOtM sMS-1000SQ Windows Edition 外観・仕様編

【レビュー】SOtM sMS-1000SQ Windows Edition 運用編

 
 外部電源にsPS-1000を接続し、本機をRoon Serverとして使い、逢瀬 AK4495S試作DACと繋げて音を聴いた。

 canarino filsの時点で「PCを再生システムに組み込むことによって生じる音の曇り」は払拭されていたが、sMS-1000SQはいよいよもって「静寂」を表現し得る。
 一線を越えた高S/Nは音楽の背景を闇に沈め、一音一音の輝きを闇の中で際立たせる。sMS-1000SQは内的にPCの構成を保ったまま、その次元に達している。
 
 静寂が深まれば、ただそれだけで最終的な出音にもたらす影響は計り知れない。ディスプレイにおけるコントラスト、黒の深さのようなものだ。
 埋もれていたディテールが姿を現し(掘り起こされるわけではない)、微小領域までダイナミックレンジが拡大することで躍動感すら増大する。

 固有の音色を一切感じさせず、ひたすら透明に徹して後段の機器の実力を引き出すという点ではDELA N1Zに近しいものも感じる。ただ、N1Zよりは積極的に闇を深くするという傾向、もとい演出を感じなくもない。
 DACにこれでもかと情報量を注ぎ込んでやる! という風でもなく、自らは一歩引いて後段機器のための環境を整えることに専念しているようだ。


 SOtM sMS-1000SQ Windows Editionは、つまるところオーディオ機器として突き詰められたWindows Server 2012 R2搭載PCである。
 オーディオ機器に相応しい頑強な筐体(当然ファンレス)、得意分野であるUSB出力の配慮、完璧なマッチングを狙った専用外部電源。それらハード面に加え、AudioPhileOptimizerでソフトの側からも徹底的に高音質化。
 ファンレス化やアナログ電源の導入など、オーディオ用PCの製作においてユーザーレベルで取り組める要素は多い。しかし、sMS-1000SQ Windows Editionというパッケージ全体での「突き詰め具合」になると、既に普通のユーザーがどうこうできる範疇を越えている。
 このように、オーディオ機器として高い次元でパッケージングされた完成品であるということがsMS-1000SQ Windows Editionの価値となる。

 ストレージを搭載する単体Roon Serverという点で注目されるのも分かるが、それに留まらない多様な使い方ができることも忘れてはならない。



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