JPLAYを用いたPCのネットワークオーディオプレーヤー化
JPLAYを用いたPCのネットワークオーディオプレーヤー化・実践編
前回の記事で、JPLAYを用いてノートPCを押しも押されぬネットワークオーディオプレーヤーに仕立て上げ、システムを構築した。
今回はノートPCとifI nano iDSDをウェルフロートボードに置いてみた。ファンを搭載するノートPCは自ら振動源を抱えるため、足元の改善は特に重要である。
PCオーディオだろうと何だろうと、あくまでオーディオの基礎基本は大切にしたい。
それでは、実質的なiFI nano iDSDのレビューも兼ねて、音を聴こう。
まずはJPLAYを使いつつもJPLAYのことは忘れて、iFI nano iDSDの音を色々な音源で聴く。必然的にLUMIN A1との比較になる。
ちなみに、JPLAY(JPLAYStreamer)で聴く際はControl PC(デスクトップ)で動いているMinimServerから音源を配信している。
iFI nano iDSD 導入
やはり線の細い音だ。この印象はSapphireを通しても変わらない。
解像度は十分に高く、細かい音までよく拾ってくれる。
音色に対する主義主張は感じられず、淡々としている。
こんなことを言うと「面白味のない機械」のように思われるかもしれないが、むしろ25000円そこそこの機器で「こんなに細かい音まで聴こえるなんて!」という体験ができるとすれば素晴らしいことだ。感動なくしてオーディオなし。
次。
「JPLAYの音」を聴く。
今回使ったのはCorrinne May「Leaving」とTingvall Trio「Pa Andra Sidan」とTOTO「Africa」。
今までもJPLAYの音を聴いていたわけだが、それはiFI nano iDSDの音であり、Nmode X-PM7の音であり、Dynaudio Sapphireの音でもある。
ここで、お待ちかね? の「再生ソフトの比較」が必要になる。相互に比較することでJPLAYの音がわかる。
比較対象はfoobar2000とJRiver Media Center。
それぞれMonkeyMote 4 foobar2000・JRemoteと組み合わせて使い、実質的に「同時に3台のネットワークオーディオプレーヤーを聴き比べる」という状況を作り出す。これはPCに負荷をかけることなので、音質的にはあまり褒められたことではないだろうが、あくまで比較のためだ。
なお、foobar2000とJRiverはそれぞれノート内に保存した同一音源を使用している。
foobar2000。画面はMonkeyMote 4 foobar2000。
淡々としている。
Corrinne MayもTingvall TrioもTOTOも、物凄く淡々としている。正直なところこれ以上の印象がない。
ifI nano iDSDの特徴を悪い意味で増幅してしまったようだ。
決して悪い音ではないが、魅力的な音かといえば……
JRiver Media Center。画面はJRemote。
Corrinne May:一聴して低域に力がある。音と音の間の空気感が濃く、押しが強い。
Tingvall Trio:やはり低域に力。シンバルやピアノの輝きも増している。
TOTO:foobar2000とあまり差が出ず。強いていえばドラムの輪郭に明瞭さを感じる。
作為的な雰囲気を感じないでもないが、総じてリスナーを楽しませる路線の音。
JPLAY & JPLAYStreamer。画面はKinsky。
今となってはBubbleUPnPを使ったほうがいいかもしれない。
Corrinne May:声から強調感がスッと消える。上品。
Tingvall Trio:冒頭のベースの存在感が頭一つ抜けている。シンバル・ピアノの輝きもJRiverに並ぶか、それよりも良い。
TOTO:中低域が充実する。コーラスのほぐれや音の広がりも良好。
音に一定の傾向があるわけではなく、あくまで音源の美味しいところを上手に引き出している印象だ。
私の環境では、JPLAY≧JRiver>foobar2000という結果になった。JPLAYはデュアルPCモードの効果もいくらかあったのだろうか。
foobar2000はともかく、定評あるJRiverと同等以上の音を出してくれるとすれば、使う側としては万々歳である。それでいてコントロールはユーザーの好きなようにできるのだから。
「再生ソフトでASIOドライバーとして機能する」というJPLAY本来の使い方を試せば、さらにJRiver + JPLAY、foobar2000 + JPLAYが比較対象として加わるが、そこまではやらない。念のため言っておくと、JPLAYと併用したところでJRemoteとMonkeyMote 4 foobar2000はそのまんま使用可能である。イメージとしては「iTunes + Audirvana plus + Remote」の組み合わせと同じ。音を気に入った組み合わせが何であろうと、ネットワークオーディオを実践可能なことに変わりはない。
選択肢が増えることは良いことだ。
JPLAYStreamerの機能的に未完成と思しき部分も、随時改善されていくだろう。
【音源管理の精髄】 目次 【ネットワークオーディオTips】
JPLAYを用いたPCのネットワークオーディオプレーヤー化・音質編
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