画質:9
音質:10
(評価の詳細についてはこの記事を参照)

映像:AVC
音声:ドルビーTRUEHD 5.1ch/16bit


○画質
 淡い色彩の背景に柔らかい描線のキャラクターの組み合わせはシャープさとは無縁ながら、前編通じて必要十分な解像感が保たれる。
 背景美術の細部まできちんと伝える情報量があり、作中で描かれるすずの絵は、様々な画具の質感がしっかりとわかる。とある空襲のシーンで、青空に弾ける煙が妙に色鮮やかだと思ったら想像の中の絵の具だった……という具合に表現としても面白い。
 全編を通じて、美しい絵本をじっくりと目で追うような体験が味わえる。僅かにバンディングが出ていることだけが惜しい。

○見どころ
 背景美術
 すずの絵


○音質
 肝であるダイアローグは明瞭かつ滑らかで、登場人物の心の機微をいきいきと伝えるに足る。あるシーンでは圧倒的な声の重ね合わせによって切実極まる心情の表現が行われている。
 効果音を丹念に重ねることで日々の暮らしの空気感がしっかりと醸成されており、音楽も要所要所で存在感を放つ。空襲のシーンでは戦闘機や火砲がじゅうぶんな威力で咆哮し、穏やかな日常との明確な対比が音でも行われている。
 本作の音は取り立てて派手なところがあるわけでも、ここが凄いというものではないが、全体として一切の不足を感じさせず、作品に寄り添って物語を伝える大役を見事に果たしていると言える。

○聴きどころ
 日々のやり取り
 右手が……


○総評
 いまさら私が言うまでもないだろうが本当に稀に見るレベルの大大大傑作。映画作品としても純粋なアニメーションとしても掛け値なしで素晴らしい。
 スタッフの丹念な仕事をしっかりと収めたBDのクオリティも申し分なし。
 完全版の制作も決まったようで、そちらも楽しみである。



○再生環境(詳細はコチラ

・ソース
Panasonic DMP-UB90

・映像
LG OLED55B6P

・音響(センターレス6.1.4ch)
Pioneer SC-LX59(AVプリとして使用)
Nmode X-PM7(フロント)
Nmode X-PW1 ×4(フロント以外の全チャンネル)
Dynaudio Sapphire(フロント)
Dynaudio Audience122(サラウンド)
Dynaudio Audience52(サラウンドバック)
ECLIPSE TD307MK2A ×4(トップフロント・トップリア)
ECLIPSE TD316SWMK2(サブウーファー)



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