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Roon Ready、Roon Server、Roon Core、Roon Remote

公開日: : 最終更新日:2017/02/01 PC・ネットワークオーディオ関連, Roon, オーディオ・ビジュアル全般

【2017/02/01更新・追記】

 当初の発表から今までに蓄積された諸々の情報を踏まえ、Roon Readyとは何か、という部分をページ冒頭にまとめている。
 発表当時の雑然とした内容はそのまま下に残してある。

【追記おわり】




 「Roon Ready」とは、UPnP/DLNAやOpenHomeとも違う、Roon独自のネットワーク伝送プロトコル(RAAT=Roon Advanced Audio Transport)に基づくネットワークオーディオのプラットフォームである。

 プレーヤー=すなわち単体オーディオ機器であるネットワークオーディオプレーヤーはRoon Readyに対応することにより、Roonからのデータを劣化なく、ネットワーク経由で受けられるようになる。
 音楽再生のユーザビリティはまったく同じで、出力先の機器がUSB DACかネットワークオーディオプレーヤーかという違いでしかない。もちろん内的な動作やプロトコルは違うにしても、実際に使うユーザーが両者を区別する必要はない

 Roon ReadyはRoonならではの優れたユーザビリティを、AirPlayとは異なり音質を担保したうえで、ネットワークオーディオプレーヤーでも実現することに意味がある。
 なおこの時、音楽再生――「プレーヤー」としての機能を担っているのはRoon(Core)であり、Roon Readyプレーヤーは実質的な「ネットワーク接続のDAC」として扱われる。そのため、Roon Readyに対応すれば、必ずしも機器側に再生機能を持たせる必要はない。RoonのOutputとしての使用を前提とした、再生機能を持たない純粋な「ネットワーク接続のDAC」という製品ジャンルもあり得る。
 
 Roon ReadyプレーヤーはCES2016の時点で既に対応を果たしたAURALiCを皮切りとして、様々なメーカーから続々登場予定

 私はネットワークオーディオを推進する者としてRoon、そしてRoon Readyの価値を大いに認め、伝えていきたいと思っている。
 一方で、今まで磨き上げられてきたOpenHomeのようなプラットフォームの価値を「なかったこと」にするつもりはない。業界やメーカーが今後どう動くかはわからないが。

参照:ネットワークオーディオとOpenHomeとRoon Ready


※「Roon Readyであること」と、「Roonに対応すること」は同じ意味ではない。なぜなら、Roon ReadyプレーヤーがあるだけではRoonのシステムは成立せず、別にCore=Roon Serverが必要になるからだ。
 一方で、Coreが動く単体Roon Server製品であればそれ自体で出力(Output)を持つため、「Roon完全対応」を名乗ってもいい。すなわちRoon ServerとはそのままRoon Readyでもある。(この記事を参照)

 Roon Readyプレーヤー/Roon BridgeはRoon Server(Core)を必要とする一方で、Roon ServerはRoon Readyプレーヤー/Roon Bridgeを必ずしも必要としないことに注意が必要だ。

 「Roon Ready」という言葉はそれ自体で「Roon対応」という意味合いを持つが、単にそう言っただけでは前述したようなRoon Readyの実情は伝わらない。
 そこで、Roon Readyをネットワークオーディオのプラットフォームと捉え、「Roon Readyプレーヤーを導入するだけでRoonが使えるようになる」という誤解を避けるために、あえて私は「Roon Ready対応」というあまり響きの良くない表現を使っている。

 「Roon Ready対応」とは、つまり「ネットワーク経由でRoonのOutputとして機能する」ということである。



 Roonそのものの仕組みやRoon Remoteについては以下の記事を参照。

Roonの「Core」・「Control」・「Output」

 Roon Serverについては以下の記事を参照。

Roon Serverの重要性――Roon Readyを本当に活かすために必要なもの





【ここからRoon Ready発表当時の内容】



What the gosh darn heck is Roon Ready? – DAR

 CESに先駆けてRoon Readyが発表され、続くCESで色々と情報が出てきたので整理しておきたい。


 さて、DARの記事によれば、

Roon Ready – further decentralisation for listeners wanting to move Roon’s playback engine away from “the electrical firestorm” (Vandermeer’s words) of a music server and onto a low/er noise streamer which, when Roon Readied, behaves as a Roon Endpoint i.e. playback device. The server sends digital audio to the Roon Endpoint over the network using Roon’s own hi-res PCM- and DSD-capable transmission protocol but is clocked by the latter.

 とのこと。
 ネットワークを活用するRoon Readyの音質的な優位性が主張されているようにも読める。

 そしてネットワークの文脈で、Roon Readyプレーヤーにデータを送る「サーバーとしてのRoon」、あるいはその機器は「Roon Server」と呼ばれている。


 ところで、Roonは現状あくまでPCのソフトである。
 使うにはWindowsかMacにインストールする必要がある。
 しかし、オーディオの「現場」にPCなんて介在させたくない、という意見も現にある。

 こうした意見は当然Roon側も承知していて、既に次なる手が打たれている。
 そこで重要になるのが「Roon Core」である。

The next step, already in its early stages, is to allow third party manufacturers to host the library management portion of Roon on their own music servers – that’s Roon Core.


 Roon Coreとは、Roonのライブラリ機能の根幹部分にして、ネットワークの文脈で至極単純に考えれば「インストールすることによって機器をRoon Server化する」、つまりサーバーソフトのようなものだ。
 いずれにせよ、Roon Serverの中にはRoon Coreが入っている。

 PCであればそのままRoonをインストールでき、特に気にする必要もなくそのままRoon Serverとしても機能するので、Roon Coreはそれ以外の機器にとって重要になる。 

 「Roon Coreの導入でRoon Serverとなる製品」の好例が、いつぞや紹介したAntipodes Audioの製品で、既に対応を表明している。また、Antipodes DX Music Serverは同時にRoon Server(Core)からのデータを受けられるRoon Readyプレーヤーでもある。ああややこしい。他にはSoTM sMS-1000SQといった製品がある。

 Roon ServerとなるにはRoon Coreを導入でき、ネットワークに繋がりさえすればいい(USB端子の有無は問わない)ので、それこそ「QNAP用のRoon(Core)」とか、そういうのも出てくるんじゃないか。
 UPnP/DLNAサーバーがそうであるように、Roon Serverにも気合いを入れてオーディオ機器として扱い得る製品が増えてほしい。

 ちなみにRoonがスムーズに動くためにはそれなりのマシンスペックが要るようで、なんでもRoon Coreを導入できる=Roon Serverになるわけではないらしい。Coreを動かすぶん、データを受ける側のRoon Readyよりも要求がきつい気がする。
 QNAPといったNASでRoon Coreが動く日が来ても、スペック的な問題から実際に動く製品は限られることになりそうだ。

 とにかく、「Roon Serverとして機能する単体サーバー/オーディオ機器」のおかげで、「Roon使いたい! けどPCなんて使いたかねえ!」というハードコアなオーディオファンもにっこりだ。



 Roon Ready、Roon Server、Roon Coreについて、あらためてネットワークオーディオの文脈で考えてみる。

 Roon Server……の中身のRoon Coreは「サーバー」として、ネットワークでRoon Readyプレーヤーにデータを送る。
 この時、Roon CoreはUSB DACを使う場合と同様に、各音声フォーマットのデコードなど、「再生機能」のかなりの部分(あるいは全部)を担っているようだ。
 
 ということは、私の定義では「再生機能を持つもの」こそが「プレーヤー」であるので、Roon Serverはプレーヤーと捉えることもできる。
 Roon Serverが担う再生機能がどこまで及ぶかは厳密にはわからないが、場合によってはRoon Readyプレーヤーは単に「LANケーブルで繋がったDAC(もしくはDDC)」という扱いにもなり得る。(→実際その通りのようだ)

 Roon Serverは単なる配信に留まらず、Roon Core由来の再生機能を持つおかげで、出力先のRoon Readyプレーヤーの仕様に縛られない再生が可能になるというメリットを実現しているのである。えらく複雑な話だが、これは凄い。


全体の流れ――音源の管理運用・システムの構築・実際の音楽再生


 Roon Readyプレーヤーと単体Roon Serverの組み合わせは、あくまで機器同士は独立しているため、上の記事で示した五種類のシステムの中の「単体プレーヤーと単体サーバーを使うシステム」に相当する。
 一方で、システム全体は同一のソフトウェアで統括されており、Roon Serverはプレーヤーとして捉えることもできる。
 この場合、PCをRoon Serverとして使うのであれば実質的に「PCと再生ソフトの組み合わせをプレーヤーとして使うシステム」、Roon ServerがPCとは独立した機器なら「ストレージ内臓プレーヤーを使うシステム」としての性格を併せ持つと言える。

 Roonであっても「ネットワークオーディオの三角形」は成立する。

 もちろん、「PCにRoonをインストールして、USB DACを繋いで、Roon Remote(アプリ)で操作するぞ!」という単純明快なシステムは、「PCと再生ソフトの組み合わせをプレーヤーとして使うシステム」そのもの。でもって、このシステムで得られるユーザー・エクスペリエンスも、Roon Readyプレーヤーで得られるユーザー・エクスペリエンスも、Roonをベースにしている以上同じものである。



 さて、そろそろ整理を試みる。ここからはRoon Remoteも含める。


・Roon Ready
 Roon独自のプロトコル(RAAT)に基づくネットワークオーディオのプラットフォーム。狭義にはプレーヤーに関係する要素だが、UPnP/DLNAと同じように「技術」と「プラットフォームそれ自体の名称」の両面を持つ。
 プレーヤーがRoon Readyに対応することで、Roon Serverからデータを受けられる。
 ユーザーからすれば、Roonから出力先として、USB DACとほとんど区別することなく単体ネットワークオーディオプレーヤーが選べることになる。
 現状でも単体ネットワークオーディオプレーヤーへの出力ではAirPlayが使えるが、Roon Readyを用いることで音質が担保される。
 コントロールはRoon Remote(二台目以降のPCもしくはアプリ)から行う。


・Roon Server
 Roon Coreを持ち、Roon Readyプレーヤーや他のOutputへの音声データ出力を行う機器。あるいは、その機能を実装するためのソフトウェア。
 コントロールはRoon Remote(二台目以降のPCもしくはアプリ)から行う。
 なお、Roon Readyプレーヤーへの出力は必然的にLANで行われる。


・Roon Core
 文字通り、Roonの核。
 「音楽の海」をもたらすライブラリ機能と、音源の再生機能と、音声データ出力機能の詰め合わせ。


・Roon Remote
 二台目以降のPC、もしくはアプリ(を動かしている端末)。
 Roon Coreからライブラリの情報を受け取るとともに、諸々のコントロールを行う。
 Roon Coreからデータを受け、Roon Remote(として機能する機器)でも音楽が聴ける。

 この時のRoon Remoteの出力先は「Private Zone」として扱われる。
 Private Zoneはプライベートという名前のとおり、母艦のRoonからも、他のRoon Remoteからも、何を再生しているか覗くこともコントロールすることもできない。
 つまりこういうこと。

 Roon Remoteデバイスから、Roon(母艦PC)はコントロールできる。
 Roon(母艦PC)から、Roon Remoteデバイスはコントロールできない。
 Roon Remoteデバイス(例えばタブレット)から、母艦PCに繋がった他のRoon Remoteデバイスはコントロールできない

 特に三つ目が問題になる。母艦PCに繋がった他のRoon Remoteデバイスとは、単なるandroidタブレットの可能性もあれば、USB DACを繋いだガチの再生専用PCの可能性もある(つまりサーバーとプレーヤーに独立した機器を使うシステム)。コントロールの部分で制約があると、システム構築の柔軟性が損なわれてしまう。


 Roonのバージョン1.2でRoon Bridgeが実装され、Roon Bridge(Output単体)とRoon Remote(Control + Output)が実質的にRoon Readyプレーヤーとして機能するようになった。そのため、Private Zoneの縛りは事実上消滅した。
Roon 1.2の色々とRoon Bridge

 なお、androidであれば端末本体(スピーカーなど)から音を出せるが、iPad/iPhoneは現時点では対応していない。



 Roon ReadyやらRoon ServerやらRoon Coreやら、Roon Ready以前からあってそのベースとなったRoonSpeakersやらRoon Advanced Audio Transportやら何やら、RoonとRoonを取り巻く諸々の要素はどう呼ぶかも含めてかなり錯綜・複雑化している。
 Roonという単語がゲシュタルト崩壊を起こしそうなこの有様は、はっきり言って展開上の失敗としか言えない。実際のシステムは完璧に調和して使えるのにね!

 作っているRoon Labsもこれは問題だと思っているようで、公式HPのフォーラムではその辺の内情が書かれていたりする。
 というわけで、各要素の名称は今後変更・整理・統合されていくようだ。

 一応、現時点(2016/01/26)ではこういうことになっている。
 フォーラムのスレッドを全部読むのは大変なので厳密には認識違いがあるかもしれないが、とりあえず上に書いた整理もこれに基づいている。

Roon (all-in-one)
Roon Remote (Control App + Outputs (if applicable))
Roon Server (Core + Outputs)
Roon Bridge (Outputs)


 これらは「その機能を持つソフトウェア・パッケージ」であり、「機器そのもの」の意味もある。

 Roon Serverは本来Coreさえあれば機能的には足りるはずなのだが、最終的な音声出力が可能なミュージックサーバーも含めたのだろう。

 Roon Bridgeは……つまるところ「デバイスをRoon Readyプレーヤー化するソフト」である。

 「Control App」とは操作画面/コントロール機能を備えるかどうか。

 「Outputs」はアナログ・デジタルを含む「音声出力」。例えば全部入りのRoonが動くPCは、USBという音声出力を持っている。
 リニューアルされた公式サイトの記述を見る限り、上の文章の後半は「Core」の領分のようだ。
 「音声データ出力」は「Core」に含まれ、「Output」とはあくまで「音を出すデバイス」を指す。つまり、全部入りのPCでは「Core」が再生とデータ出力を行い、内臓サウンドカードがCoreからのデータを受けて「音を出す」、つまり「Output」になる。USB-DACを繋げば、それが「Output」になる。(詳しくは下記の記事を参照)


 と、ここまで長々と書いてきたが、現在RoonはHPの更新作業中だそうで、完了した暁には色々とすっきりした形で提示されるに違いない。

→示された。下記の記事を参照。
Roonの「Core」・「Control」・「Output」



 Roonは「総合音楽鑑賞ソフト」である。
 少なくとも私はそう呼ぶ。「聴くだけではない音楽の多面的な楽しみ」を、これ以上ない形で提供してくれるからだ。

 今回発表されたRoon ReadyやRoon Server、Roon Coreがもたらすものをきちんと理解するには、音源の管理やライブラリの構築まで含めて「ネットワークオーディオとはどのようなものか」ということをまず把握している必要がある。私が言うのもアレだが、たやすいことではない。Roonを単独のソフトとしてではなく、ネットワークオーディオの文脈に統合して捉えるには、今まで培ってきた理解を総動員しなければならなかった。


 ただ、そんなことをいちいち考えずとも、実に単純明快な操作で快適に使えるのがRoonの素晴らしいところである。いいんだよ細かいことは。Roon LabsのCOOも「こんなもんユーザーは気にしなくていいよ」と言っているし、現に便利に快適に楽しく使えているんだから。
 それこそが重要なのだ。それこそが、製品ジャンルとしてのネットワークオーディオが本来目指すべきだったものだ。Roonの理想は素晴らしく高い。
 それに、Roon Readyといったネットワーク機能が「快適な音楽再生」に大きく寄与するにしても、Roonの本質にして本懐はあくまで強力無比なライブラリ機能と、それによって生まれる「音楽の海」という体験にあるはず。

 技術者ではない私が伝えられることも、伝えたいことも、技術の詳細ではなく、ひとえにRoonがもたらすユーザー・エクスペリエンスの魅力である。


 「厳格なルールに基づく音源管理の果てに構築される、自分にとって理想のライブラリ」という、既にOpenHomeといったプラットフォームで実現していた価値。
 「ローカルとクラウドの境なく、ライブラリに魔法をかけて隅々までRoon色に染め上げ、未だかつてない音楽の海としてユーザーに提示する」というRoonの価値。
 決して両者は否定し合うものではなく、どちらの価値も最大限認められるべきだ。

 2016年、ネットワークオーディオはますます面白い。



Roon関連記事まとめ

【音源管理の精髄】 目次 【ネットワークオーディオTips】

【レビュー】 視た・聴いた・使った・紹介した機器のまとめ 【インプレッション】

よくある質問と検索ワードへの回答

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