【4K/HDR環境の導入に伴い、2016/11/20初出の記事を更新・追記】
【BDレビュー】第270回『ローン・サバイバー』
画質:8 (HD環境・BDと同じ土俵での暫定評価:11)
音質:11
(評価の詳細についてはこの記事を参照)
映像:HEVC 5K撮影・2Kマスター
音声:DTS:X トップスピーカーの活用:小 オブジェクト効果:極小
○画質
フルHDプロジェクターで見る限り、明らかな劣化! 劣化の度合いはむしろ音質以上で、BDで見られた鬼気迫る克明な描写は鳴りを潜めてしまった。
HDRのはずがダイナミックレンジはBDよりもむしろ狭く、森は全体的に薄暗くなり、稠密なBDとは打って変わって白飛びは激しくなり、闇への引き込みが強まり暗部諧調もだいぶ死んだ。
さらに色味も薄くなり、木々の葉は生気を失い、青空は白く飛んでしまっている。何なのだこれは。きちんとHDR対応のディスプレイで見ないからこういうことになるのか。
しかし、それでもなお、総じて高いレベルであることは相変わらず事実なのだが……
【4K/HDR環境での追記】
色味も薄くなり、木々の葉は生気を失い、青空は白く飛んでしまっている。何なのだこれは。きちんとHDR対応のディスプレイで見ないからこういうことになるのか。
→その通りだったようだ。有機ELで見たら化けた。
闇の深さと日中の明るさを拡大したうえで、色彩表現もBDと同じレベルまで引き上げられ、BDとは異なる明暗の凄みが出るようになった。
が、しかし、BDの画とUHD BDの画のどちらが好きかと言われれば、BDの方が好きかな……
○見どころ
森
○音質
「サラウンドジャンキーに送る“シューテムアップ”BD10選」で第3位に輝いた、ドルビーTRUEHD 5.1ch advanced 96k upsamplingのBD版に比べて、大幅劣化!
トップスピーカーには申し訳程度に音楽が振り分けられるのみで、効果音の振り分けはほぼなし。とはいえ、そもそも上から聴こえるはずのない音をトップスピーカーに振り分ける方がある意味不自然なので、それはそれでべつにいい。一応、RPGによって舞い上がった砂礫など、意味のあるトップスピーカーへの振り分けもあるにはある。しかし、活用の機会はあまりにも少ない。そのために定位感・移動感・包囲感はBD版から何ら変わりない。
とにかく問題なのは、銃撃の威力がBDに比べて明らかに弱体化していること。相変わずの極まった音響構築はさすがの一言だが、この程度の威力では一線を越えた「死の恐怖」が得られない。オブジェクトオーディオだ! 凄いぞ! なんて言ったって、蓋を開けてみればがっかりである。
あるいは、advanced 96k upsamplingの効果が想像を絶していたのか。
○聴きどころ
森
○総評
「UHD BDは必ずしもBDよりも高品質とは限らない」という事実を、同じ作品で証明してしまうとは。
BD発売元のポニーキャニオンの仕事があまりにも素晴らしかったということなのだろうが、こういうこともあるのだなあ……
緻密な音響構築が為された後は、「威力」こそ聴く側の印象を決定付けるということがよくわかる。
○再生環境(詳細はコチラ)
・ソース
Panasonic DMP-UB90
・映像
Victor DLA-X30
KIKUCHI SE-100HDC
→LG OLED55BP6
・音響(センターレス6.1.4ch)
Pioneer SC-LX59
Nmode X-PM7
Nmode X-PW1 ×3(サラウンドにモノラル×2、サラウンドバックにステレオ×1)
Dynaudio Sapphire
Dynaudio Audience122(サラウンド)
Dynaudio Audience52(サラウンドバック)
ECLIPSE TD307MK2A ×4(トップフロント・トップリア)
ECLIPSE TD316SWMK2
【Dolby Atmos/DTS:X】オブジェクトベースシアターへの道・まとめ
【UHD BDレビュー】総まとめ
【BDレビュー】総まとめ
【UHD BDレビュー】第13回『ローン・サバイバー』 米国盤 【DTS:X】
スポンサーリンク