*

【BDレビュー】第323回『ブリッジ・オブ・スパイ』

画質:10
音質:9
(評価の詳細についてはこの記事を参照)

映像:AVC
音声:DTS-HD Master Audio 7.1ch


○画質
 単なるノスタルジーの表出ではなく現代に通用する基礎体力を備えた盤石のフィルム画質。解像感も情報量もばっちり、切れ味鋭いながらも決して硬質に転ばずしとやかな質感を残すあたりは、やはりフィルムならではと言える。とはいえ『イミテーション・ゲーム』『鑑定士と顔のない依頼人』のような、最先端のデジタル撮影に伍するほどの隔絶した画とまではいかない。
 アメリカにおける画は色がしっかり乗ってコントラストが高く、デジタルとは異なる重厚さが見もの。冷戦下のベルリンにおける陰鬱で怜悧な質感は『善き人のためのソナタ』の画を思わせる。
 いかにもヤヌス・カミンスキーな光が溢れる様は相変わらず美しい。

○見どころ
 法廷
 

○音質
 全編通じてサラウンド感は極小。7.1chというスペックが例外的に活躍するのはスパイ飛行を行っていた偵察機が撃墜されるシーン。特に何かが爆発するわけでもない展開の中で鬱憤を晴らすかのように荒々しく音が咆え猛り、脱出を選ばざるを得なかったパイロットの心境を否応なく追体験させ得る素晴らしいものとなっている。
 それ以外はひたすら物静かな展開であり、会話劇が続く。幸いにして本作のダイアローグはじゅうぶんに高品位であり、登場人物の心情の襞を感じさせるに足る。やはり白眉はドノヴァンとアベルの対話であり、淡々とした口調に滲む二人の強固な意志を聴き取ることができる。
 ただ、音楽や効果音の使い方に関しては、スピルバーグ映画としてはイマイチ印象に残らなかった。

○聴きどころ
 Will it help?


○総評
 作品としてもソフトとしてもさすがの完成度。『イミテーション・ゲーム』や『善き人のためのソナタ』と一緒に並べておきたくなる。
 ヤヌス・カミンスキーならではの光が溢れる映像表現って、HDRになるといったいどうなるんだろう?



○再生環境(詳細はコチラ

・ソース
OPPO BDP-103

・映像
Victor DLA-X30
KIKUCHI SE-100HDC

・音響(センターレス6.1ch)
Pioneer SC-LX85
Nmode X-PM7
Nmode X-PW1 ×3(サラウンドにモノラル×2、サラウンドバックにステレオ×1)
Dynaudio Sapphire
Dynaudio Audience122
Dynaudio Audience52
ECLIPSE TD316SWMK2



【BDレビュー】総まとめ

スポンサーリンク


関連記事

ECLIPSE TD316SWMK2 いろんなタイトルとの組み合わせ⑤

0.1の壁 導入編 リファレンスBD10タイトルとの組み合わせ いろんなタイトルとの組み合わせ

記事を読む

no image

【BDレビュー】 第24回『劇場版 機動警察パトレイバー2』

パトレイバーその2です。 1が89年で、2は93年。この二つを見ることで、日本のアニメーションの8

記事を読む

Asset UPnP Release 5 BETAでDSDを配信可能なことに今さら気が付いた

↓情報を統合・刷新した記事を作成したのでこちらを参照↓ サーバーソフトの紹介 『Asset U

記事を読む

【AV史に残るBD勝手に10選】第3位『AKIRA』 ― 192kHz/24bit/5.1chを巡る未曾有の狂騒

【BDレビュー】第107回『AKIRA』  アニメーションとしての『AKIRA

記事を読む

no image

【BDレビュー】 第191回『GHOST IN THE SHELL 2.0』 北米盤

国内版の価格は甚だ疑問だったので輸入。 国ごとに違うマスターを使い分けるなんて面倒をバンダイビジュ

記事を読む

LUMIN L1 続・運用&サーバーソフト編

○前の記事○ 運用編 サーバーソフト編  はじめに。  以前全力でツッコミを入れた、

記事を読む

【音源管理の精髄】『音源』の重要性――『快適な音楽再生』を実現するために 【ネットワークオーディオTips】

 最初に、一般的な定義を確認しておこう。今後の話を分かりやすくするために。  (狭義の)PCオ

記事を読む

SOtM sMS-200でSpotifyを使ってみる

SOtM sMS-200 運用・音質編  sMS-200が再び手元にやってきたので、この手の貪

記事を読む

no image

【BDレビュー】 第120回『トップガン』

画質:9 音質:11 映像はAVCでビットレートは30Mbps前後で推移。 音声はDTS

記事を読む

【音源管理の精髄】 dBpoweramp Tag Editorを使ったDSDのタグ編集 【ネットワークオーディオTips】

Tag&Renameを使ったDSDのタグ編集 Mp3tagを使ったDSDのタグ編集

記事を読む

スポンサーリンク

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

スポンサーリンク

【Munich HIGH END 2017】記事まとめ

 Munich HIGH END 2017で気になった製品やら何やら。

【レビュー】SOULNOTE D-1 音質編

外観・運用編 ・再生環境(詳細) canarino

【Munich HIGH END 2017】SFORZATO / fidata in Munich

 Munich HIGH END 2017で気になった製品やら何やら。

【Munich HIGH END 2017】Cocktail Audio CA-X50 【Roon Ready】

  Munich HIGH END 2017で気になった製品やら何やら

【Munich HIGH END 2017】constellation audio LEO 【Roon Ready】

 Munich HIGH END 2017で気になった製品やら何やら。

【Munich HIGH END 2017】Roon Labs自身による“Nucleus” Roon Server

 Munich HIGH END 2017で気になった製品やら何やら。

【Munich HIGH END 2017】Playback Designs Dream DAC MPD-8 / Transport MPT-8 【Roon?】

 Munich HIGH END 2017で気になった製品やら何やら。

【Munich HIGH END 2017】DELAの進化は続く

 Munich HIGH END 2017で気になった製品やら何やら。

【Munich HIGH END 2017】Mark Levinson No519 【Roon Ready】

 Munich HIGH END 2017で気になった製品やら何やら。

【Munich HIGH END 2017】dCS Vivaldi One 【Roon Ready】

 Munich HIGH END 2017で気になった製品やら何やら。

【Munich HIGH END 2017】Ayre QX-8 / AX-8 【Roon Ready】

 Munich HIGH END 2017で気になった製品やら何やら。

【Munich HIGH END 2017】MSB Technology The Reference DAC 【Roon Ready】

 Munich HIGH END 2017で気になった製品やら何やら。

【Munich HIGH END 2017】AURALiC G Series 【Roon Ready】

 Munich HIGH END 2017で気になった製品やら何やら。

言の葉の穴・四周年

 三周年記事で地元ネタ全面解禁宣言をしてから1年。  主に私のや

【Munich HIGH END 2017】Dynaudio Special Forty

Dynaudio Special Forty https://y

【レビュー】SOULNOTE D-1 外観・運用編

 SOULNOTEのDACには、対応フォーマットのスペックを偏重する流

LUMIN U1がDSD256に対応

LUMINのネットワークトランスポート「U1」、11.2MHz DSD

【菅江真澄紀行文】『菅江真澄と歩く 二百年後の勝地臨毫 出羽国雄勝郡』が完成しました

小町ゆかりの地「真澄と歩く」出版プロジェクト - FAN AKITA

【御礼】ヘッドホン祭&北陸オーディオショウ(デジ研)・OTOTEN 2017が終了しました

春のヘッドホン祭2017 / 第2回北陸オーディオショウの「デジ研」に

【おしらせ】OTOTEN 2017に参加します

 久々だと思っていたら三週続けてのイベント参加です。 O

→もっと見る

PAGE TOP ↑