画質:15 音質:10


映像はAVC、音声はDTS-HDMAの24bit、7.1ch

画質について。
目の醒める色彩。
画の破綻を微塵たりとも感じさせない凄まじい安定感。
“絵が動く”というアニメーションの理想を体現する素晴らしい画質。
美女と野獣ははじめてディズニーが本格的に製作工程で3DCGIを導入した作品なんだそうな。
91年という年代で、しかも初めての3DCGIの導入にも関わらず、どうしてこんなにも完成度の高い映像を作れたのだろう。
未だに日本のアニメ業界が四苦八苦している“3Dの背景/オブジェクトと2Dアニメーションとの完璧な絡み”はいともたやすく完璧に成功しているし(アニメーションも24コマフルで作る文化のおかげか?)、CGIの解像度が足りずにジャギが出るなんてことも一切無い。
そして類稀な技術的到達点から一切の情報量を取りこぼすことなく、ソフト化に結びつけるのはひとえにディズニーの愛。散々偉そうに新技術だの高画質化メソッドだのと謳うくせにちっとも大したソフトを出さない日本のソフト会社とは違って、彼らは黙々と愛を注いで夢を蘇らせている。
どっかの時代錯誤で独善的な爺さんもディズニーの爪を煎じて飲むべき。

音質について。
眠れる森の美女や白雪姫といったクラシカルな作品よりもずいぶん音数も増えているせいか、ミュージカルシーンやダンスシーンを筆頭にサラウンド化の効果はかなり大きい。
激しい主張は無いが、台詞や効果音のひとつひとつ、実に映像との馴染みがいい。
全体としてあくまで音響は映像の引き立て役に回っているが、その意図は完全に成功している。



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