画質:8 音質:9


映像はAVC、音声はリニアPCM16bitステレオ

画質について。
いつぞやプロデューサーがブログかなんかで「マスターのデータ消しちゃいましたふひひすいません」的なことを書いていたのを見た時はほんとにもう……
このような製作サイドの冗談のような意識の低さこそ日本発のBDソフトの画質が悪い最たる理由である、ということを示すよい例である。
で、その後は「必死にBD化にあたって高画質化作業をがんばりました!!!!」という経緯が延々と綴られていたらしいが、正直なところそんなものはどうでもいい。どれだけ高画質を目指す云々と言ったところで、最終的に出来上がったものがちっとも高画質でないのなら何の意味も無いし、現にそういう例はアニメにおいて多々目にしてきたからだ。
前置きはここまでにして、「RESTORE」の名を冠する今回のBDの画質はどうだったかというと、よい。
よく頑張った。
フィルム撮影とデジタル撮影が混在する作品なので、当然両者における画質の違い(種類の違いであって差というほどではない)はあるが、特にフィルム部分は90年代後半の完成された画質。画質の雰囲気的には『攻殻機動隊Ghost In The Shell』を髣髴とさせる。柔らかい描線に透明な光と色彩、十分に確保された情報量を安定して見せてくれる。一方でデジタル部分はやはり技術的にも黎明期とあってか、フィルムに比べれば画質的にはばらつきがある。デジタル部分は全て再撮影をかけたとのことだが、ごく一部ではあるものの再撮影が出来なかったのか、明らかに露骨に解像度が下がるカットが後半の話数で見られた。しかたないね。時折いかにもデジタル撮影らしい素晴らしい解像感を見せるカットもあり、デジタル撮影部分についても総じて画質的な完成度は高い。
ちなみにデジタル撮影のオープニングはすこぶる高画質である。

音質について。
プレゼント・デイ
プレゼント・タイム
アハハハハハハハハハハ
ザーザザザザー
And you don’t seem to understand…….
この流れの時点で音質的な素性の善さは確信できた。
本編も台詞は非常に明瞭に仕上がっているし、なによりステレオ効果をしっかり活かした音響効果も非常に凝っている。効果音の使い方がいかにも変態的で素晴らしい。
数年前にDVDBOXで見た時の印象よりも明らかに音は上を行く。



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