やっぱりというか案の定というか想像通りというか、CES2015においてDTSからもオブジェクトベースの音声規格であるDTS:Xが登場した。
 DTS-UHDがそのまんま来るのかな、いつ来るのかなと思っていたら、名前を変えての登場となったようだ。


【CES】DTS、家庭用オブジェクト音声規格「DTS:X」発表 - ’15年に13社以上が対応AVアンプ発売 – Phile-web

このDTS:Xは家庭用にも展開され、DTS:XをデコードできるAVアンプを、2015年中にAnthem、デノン、Integra、Krell,、マランツ、McIntosh、オンキヨー、Outlaw Audio,、パイオニア、Steinway Lyngdorf、Theta Digital、Trinnov Audio、ヤマハが発売する予定。

再生自体はどのようなBDプレーヤーでも可能だが、オブジェクトベースの再生を行うためには対応したAVアンプが必要になるという(非対応AVアンプではDTS-HDマスターオーディオとして再生されるとのこと)。


 2014年に発売された“Dolby Atmos対応”AVアンプは、はたしてアップデート等によってDTS:Xにも対応するのだろうか?
 もし対応しないとすれば、“Dolby Atmosにしか対応しない”AVアンプを買ってしまった人はいったい……

 Dolby Atmos登場以降も頑なにDTS-HD Master Audioを採用してきた20世紀FOXとディズニーは、きっとこの時を待っていたのだろう。今後、彼らの巨大なソフト資産が猛烈な勢いでDTS:X収録版として再発されることは想像に難くない。
 さらにDTSの攻勢に刺激される形で、「アトモス収録ソフトが全然出ないぞ! どうにかしろ!」という状況も一気に改善されそうな気がする。
 楽しみすぎて弾け飛びそうだ。

 ただ、そうなった時、AVアンプが“Dolby Atmosにしか対応していない”とすれば片手落ちもいい所だ。悲惨すぎる。BD黎明期の悪夢の再来だ。
 何だかんだ言って未だに導入できていない私が言うのもアレだが、オブジェクトベースの音声に大きな可能性を見出し、積極的な投資を行ったユーザーが不利益を被るような展開はあってほしくない。彼らの情熱が最良の形で報われることを願う。



【Dolby Atmos】 オブジェクトベースシアターへの道・まとめ 【DTS:X】