音楽産業の利益の4分の3が「ストリーミング」から生まれている – GIGAZINE

Recording Industry Association of America(RIAA:全米レコード協会)が、2018年上半期の音楽産業の収益データを発表しました。音楽産業の利益の4分の3がストリーミングミュージックによってもたらされていることが明らかになっています。


 物理メディアは言うまでもなく、ダウンロード販売もどんどん減っていくのに対し、ストリーミングは右肩上がりで成長を続け、音楽産業全体の利益も拡大している。
 やはりこの流れは変わらないようだ。ついでにLP/EPが微増しているのが面白い。


「自分の音源ライブラリ」の未来
日本でロスレス音楽ストリーミングサービス「Deezer HiFi」が開始
アメリカの音楽市場でCD/レコードの売上がダウンロード販売を上回る
iTunesのダウンロード販売が終了する流れ


 何度も繰り返しているように、どれだけストリーミングサービスが普及したところで、「自分の音源ライブラリ」の価値が消えてなくなることはない。少なくとも当面は。

 一方で、ライブラリを保存/運用するストレージとサーバーは必ずしもローカルに置いておく必要はない。諸々の理由から現実的にローカルに置いてはいるけれど。
 実際にストレージもサーバーもクラウドに置いているのが音楽ストリーミングサービスだと捉えればいい。

 あくまでもオーディオの話をしているので、アップロードの際に問答無用でMP3に変換されるとか、そういうのは言語道断である。ハイレートのPCMもDSDも含め、すべての音源がオリジナルの状態を維持して保存できなければ意味がない。
 そして現在、それなりの投資が必要とはいえ、「クラウドストレージに手持ちのすべての音源ファイルを完全な形で保存する」ということは既に不可能ではなくなっている。

 あとはTwonky ServerやAsset UPnPといったサーバーソフトもクラウドで機能し、クラウドストレージの音源ファイルを扱えるようになれば、それらのソフトで実現している諸々のユーザビリティを維持したまま、「ストレージもサーバーもクラウドに置く」ことが可能になる。要は「自分の音源ライブラリだけから成る音楽ストリーミングサービス」を利用するイメージである。
 この時、システムの中に「サーバー」を担う機器はもはや必要なく、「プレーヤー」だけがあればいい。間違いなくシステムはシンプルになる。工夫次第ではCDプレーヤーを使っていた時並に機器が減る。


 音楽ストリーミングサービスの膨大なライブラリだけでなく、長年にわたり蓄積してきた大切な「自分の音源ライブラリ」も、音質とユーザビリティを担保したうえでクラウドからのストリーミングで聴くことができる。ユーザーは再生機器として、ネットワークオーディオプレーヤーを一台用意するだけでいい。可能性の一つとして、なかなか素敵なファイル再生/ネットワークオーディオの将来像だと思う。

 もちろん、ストレージとサーバーをローカルに置くことでより優れた音質が得られる限り、気合の入ったミュージックサーバーや単体サーバーも命脈を保ち続けるだろう。



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