画質:8 音質:14
映像はAVC、音声はDTS-HDMAの24bit
画質について。
2000年代のフィルム撮影の映画としては水準をクリアする画質。
あくまで穏やかな空気感の中に豊富な情報量をたたえた清廉な画であり、人物の表情のクローズアップではおどろおどろしいまでの克明さを見せる。
惜しむらくは場面場面で画質差がそれなりに見られること。俯瞰撮影のカットなどは甘くなりやすく、闇夜のシーンなどでは暗部にノイズがざわつくのが多数見られる。
最大にして最凶の見所はレッド・ドラゴンの蠢きか。
音質について。
とてつもなくよい。
音楽のサラウンドミックスが抜群に巧い、効果音の立ち方が抜群によい、そしてなによりも、ダイアローグの音質が今まで見てきた数百本のBDの中でも究極レベルに素晴らしい。
とにもかくにも声が素晴らしいのである。
並みの作品とは一線を画す潤沢な声のニュアンスが一聴して分かる。オーディオ的に表現すれば“超優秀録音”となるだろうか。リップノイズと言うのか? 唇のこすれ、唾液の滴り、舌の動き、声の背後に潜むそれらの機微を細大漏らさず掬い取っており、作品に、演技に尋常ならざる迫力を与えている様には舌を巻く。レクター教授を筆頭に、鬼気迫るダイアローグにより背筋が凍る体験が出来る。こんなソフトは極めて希少。
そりゃこれだけの声で一晩中追い詰められたら自殺もするわ。
BDレビュー総まとめ
【BDレビュー】 第175回『レッド・ドラゴン』
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